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66.何かすればするほどボロが出る

 その後、ひたすら写真に収めてくる愛華の猛攻にひたすら耐える時間が続いた。


「いやぁスヤスヤと眠る刹那もかわいいねぇ」


「永遠もそう思うでしょ?・・・・あっ失礼、愚問だったわね」


などと、刹那の頭が俺の肩に乗っており(俺が自分で乗せたのだが)動けない俺にムカつくほどニヤニヤとした笑みを浮かべながらパシャパシャとスマホのシャッターを切り続ける。

俺は抵抗することを諦め、愛華のすぐ隣に立つ晴生に声をかけた。


「お前は撮らないんだな」


俺はてっきりからかいの一環で愛華に混じってくるのかとも思ったが混じることなく突っ立ったままこちらを見てくる。ニヤけ面のままではあるが。


「そんなの当たり前だろ。お前、彼女の写真、まして寝顔の写真が他の男のスマホの中にあるのは嫌だろ」


「嫌だ、そんなことされたらそいつのスマホぶっ壊す」


「だろ、だからそういうことだ」


「色々と考えてくれてるんだな」


俺の心情を見透かした上での心遣いに素直に、とは言えないものの感謝は心の中で述べておく。

流石多くの人と関わったり、相談を受けているだけあってそういった気遣いにまで気が回るのは晴生の良いところだと思った。


未だにニヤニヤしているあいつには絶対に言わないが。

せめてものの反抗に「そう思うなら愛華を止めてくれ」と言ったのだが、

「女子どうしのことは知らん」と放置された。









 愛華の写真収めも落ち着いてもまだ、刹那は目を覚ますことはなかった。けっこう騒いでいたと思ったんだけどな(主に愛華が)。よほど疲れていたのかぐっすりだった。

時間をみると18時を回っていたので、俺は2人の方を見て、


「今日の夕飯は外の予定だったけど、刹那もこんな様子だし、家でもいいか?」


という提案に「いいよ」という賛同を得たので、今から料理の準備をするために、刹那の背中と膝裏に手を入れてソファに運び寝かせ、ブランケットをそっとかけた。


運んでいるときに周りが「きゃー」「ヒュー」とうるさかったが全力をもってスルーした。

俺もなにげに初めてやったんだよ!


初めて、いわゆるお姫様抱っこをしたわけだが、刹那は思っていたよりも軽くて、細くて、柔らかかった。

気持ちよさそうに寝息を立てている刹那の寝顔がかわいいなと思いつつも、今度は起きているときに照れて顔を真っ赤にしている刹那が見たいなと思い、俺に勇気が出せたらまた今度やろうと決めた。


急遽作ることになったので食材は大丈夫か?とも思ったが、なんとか今日の夜と明日の朝の分はありそうだったので適当に作れる物で簡単に作ることにした。これは後で刹那に報告しとかないとな。


今回は先日近所の方から大量に押しつけられたそうめんに、豆腐や油揚げ、わかめを入れたみそ汁。後は適当に切って盛り合わせたサラダや生ハムで完成。これまた近所からもらったスイカをカットして添えておく。やっぱりまともに料理していない気しかしないが、ひとまずはこれでいいだろう。


後は、晴生と一緒に皿を運び、愛華は刹那を起こしてもらった。

机の上の準備を終えて、女子を座りながら待っていると、ニコニコ顔の愛華に手を引っ張られながら、後ろで顔を真っ赤にした刹那がやって来た。


「よく眠れた?」と俺が刹那と目を合わせて聞いたら、

顔を俯かせてしまい、小さく「うん」とだけ答えられた。そして、席に着いたのだが、俺の目の前に座る刹那の顔を見ようとするのだが、こっちを見てくれない。俺は疑問に思い愛華に尋ねた。


「刹那になんかした?」


俺は愛華に目を細めて睨みつける。そんな俺の視線など気にすることなく、スマホの画像を見せながら、


「これを刹那に見せただけだよ」


そこに映るのは、俺が刹那をお姫様抱っこをして運ぶ様子だった。しかもご丁寧に動画で。


「おまっ、そんなものまで撮ってたのか!?」


マジかよ、やべぇよ!これじゃあ、眠っていて抵抗のない女の子をお姫様抱っこをするだなんて、とんだクソ野郎じゃないか。俺も一気に恥ずかしくなり刹那同様顔を見ることができず下を向くしかなかった。

そんな俺達の様子が面白かったのか、愛華と晴生はケラケラと爆笑してやがる。あぁっ!絶対やり返してやる。


「恥ずかしがっている2人は置いといて食べましょ食べましょ」


勝手に食べ始めていく愛華と晴生。

少し落ち着けたのか、刹那も箸を手に取り食べ始めた。俺はみそ汁を飲む刹那に注目する。俺があまりにもずっと視線を向けていたために、刹那は「どうしたの?」と首を傾けてくる。

その疑問の答えが刹那の隣から響く。


「ふっふーん!これはね永遠が作ったんだよ。愛されてますなぁ。さしずめおいしいかどうか気にしてるんじゃない?」


とまるで自分が作ったかのように自信満々に答える愛華。てか地味に感想を刹那に言わせるんじゃないよ。


刹那はその愛華の答えにクスッと笑いながら、


「大丈夫だよ、これが永遠が作ってくれたことは言われなくても見ればわかるから。作ってくれてありがとうね、永遠。たまに永遠が作ってくれるみそ汁、今回また食べれておいしいよ」


と優しい笑みを浮かべながら感謝を告げられて、心が温かくなっていくのがわかった。刹那においしいと言ってもらえてよかった。ただそれだけのことがなによりも嬉しい。


俺が嬉しさの余韻に浸っていると、「永遠も早く食べなよ」と刹那に急かされて、俺も食べ始めた。うん、今回も上手くできた気がする。だけどやっぱり刹那の作ってくれたやつがいいよな。みそ汁を一口飲んでそう思った。


その後も4人で談笑しながら食べ進め、スイカまで全て食べ終えて、一息ついていたところ、俺が食べ始めるまで会話に入ってこなかった晴生がいきなり口を開いた。


「永遠って、刹那の家にかなり行っているんだな。それこそ料理するレベルで。刹那に聞かなくても細かい調味料や器具、皿とかも把握してたりしてもはや同棲してるんじゃないかっていう程だったわ」


晴生が声高らかにハッハッハーと笑っているのに対して俺と刹那は互いに顔を引きつらせながらアイコンタクトをとった。


((やばい!!))

今回も読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願いします!


「なんであの2人見つめ合ってるのかしら?」

「そうだな・・・しかも固まってるし」

「顔が引きつってるし」

「知らん」

((詮索しないで!!))

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