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60.休み明けの部活

 刹那とのデートを終えた後日、夏休みの課題を片付けながらも刹那と家でだらだらと過ごすだけではあったが、非常に有意義な時間を過ごすことができたと言えよう。


ぶっちゃけいつもの生活となんら変わらなかったが、互いに好きであるということを自覚し合い、恋人同士であるという気持ちの持ちようだけでもそんないつもの日々が楽しすぎてあっという間に過ぎ去っていた。


そして今日はお盆休み明けの部活一日目である。

今日は午前部活のため、朝食を食べ終えて片付けや準備などを済ませた。


「さて、そろそろ行きますか」


「なんか、久し振りだから少し緊張するかも」

と不安そうな顔で苦笑いをする。


とまあお忘れかもしれないが、3年生が部活を引退し世代交代した俺達2年生が部活を引っ張っていく立場になったのだが、お盆休みに入るまで上手く取り回すことができずにそのまま休みに入ってしまったのだ。


吹奏楽部で団体部活においてこれはかなり致命的である。


「大丈夫、刹那だけがそこまで気を張る必要はない。皆この休みで色々と考えてきているから」


「そうだね。久し振りの部活で私が落ち込んでいちゃだめだもんね。よし頑張る!」


「はは、その意気だよ。俺も一部員としてサポートするから」

刹那の顔が少しまだ不安そうな様子が残ってはいるものの気力溢れる笑顔を見て安心した。


ただ、お盆休みといっても、この休みの間、同じ2年生にも今の現状を確認し合い、それでどうしていくかということを考えるように言ってあるし、幹部とよばれる部長である刹那とサックスの副部長とも今の現状や今日をどうするか今後の部活をどうしていくかなど話し合っている。


刹那の話に色々と聞いてたりして関わっていたらいつの間にかこんなことになってしまった。


最初は一部員でしかない俺がどうしてその幹部の話し合いに参加しなければとも思ったが、刹那にせがまれたのはもちろん、副部長の方にもお願いされてしまったためにこんなことになってしまった。


とはいえ今この現状を打ち破る方法も既に考えており、2人にも了承は貰っている。

まずは2年生だけでの話し合いである。どうなることやら・・・・期待と不安が入り混じりながらも学校に向かって歩いて行くのだった。


 「・・・・というわけで部長として力及ばずでまだまだ部活をうまくまわせていけない自分ですが、部活は皆で作っていくものであると私は思っているので、協力してほしいです。

この大人数で大規模な部活を運営していくにはやっぱり誰かにまかせて自分は知らんぷりということでは不可能で、後輩にも今かなり困らせてしまっています。

来年にも確実に引き継いでもらえるようにもまずは私達二年生が楽しむところは楽しく、それでも真面目にやらないといけないときは真面目にと皆で頑張っていきたいです」


と初めの部長としての刹那の言葉から始まり、2年生だけでの話合いが始まった。

皆もちゃんと色々と考えてきたのか色々な意見を言っていた。余り意見が出なかったらどうしようかというのが今回の一番の個人的な山場だったが何事もなくて良かった。


はーいと手を挙げる女子。


「皆の部活に対する思いはこれでよくわかったと思う。それで具体的にはどうしていく?精神統一を図るだけでは限界があるだろうし、一人一人が部員として自覚を持って取り組めるためには何かしら考えていかないと。私にはそれがよくわからないんだけど何か案ある?」


真面目な?ホルンの女子が発言をしてくれた。


彼女の言うとおりである。意思を確認するだけでは不十分である。俺は刹那とアイコンタクトをとる。

『いい?』と聞かれた気がするので、『どうぞ』という意味を込めて首を縦に振った。


「はい、そこで私達のほうから提案があるんだけども聞いてもらっていい?皆に負担をかけてしまうことにはなるんだけども」


という刹那の投げかけに「いいよ、まずは聞かせて」と皆が了承する。


「今のところ部長と副部長というのが明らかな役割持ちなんだけど、2年生皆にそれぞれ何らかの役職を持たせようと考えてるんだけどどう?」


役職を2年生で分配し、部長たちの仕事量を減らすのはもちろんのこと、役職を持つことによって主軸となって運営する側であるということを自覚させるためである。俺の案ではあるが、一部員がこんなことを言うのは変じゃね?と思ってしまった俺は部長達の案として提案してもらうことにした。


そしてそれに皆も賛同し、その中身や配分も決めていくことができた。

そして、後は実際に決めるだけとなったとき、


『はいはーい』と手を挙げる愛華がいた。


「これは元々誰の意見なの?2人の性格的に考えて部長達ではないでしょ」


という発言に冷や汗が背中を伝うのを感じた。


流石愛華さんよく人のことをわかっていらっしゃる。

とまぁ、あくまで平然とした様子でその場を眺めていると愛華が俺をニヤニヤとしながら見てきたのを見て俺は悟った。


「これの発案、永遠でしょ」


とやはりバレていたので、刹那の方を見ると、既に手の平をこちらに向けながらどうぞとしていた。周りもそれを確認し確信を得たようで一斉に俺のほうに目線を向けてくる。その目線が暖かくて少し気持ち悪かったが、


俺は観念し、はぁと溜息をつきながらも質問に答える。


「愛華の言うとおりだよ。狙いとしては役職を持つことで自覚を促すためだ。後は単純に部長達の負担も

減らせる。これを刹那に言ってもらったのは、その、なんと言いますか、刹那と付き合っているというのは皆も知っていると思うから癒着していると思われないようにしたためだ・・・・・これで満足か愛華」


と最後には刹那をフォローしたのだが、言っていて途中で恥ずかしくなって顔を逸らしながら言った。


「うんうん、彼女想いのいい彼氏だねぇ」


とからかってくる。こんな皆の前でからかわれてすごく恥ずかしい。顔が熱くなっているというのが自分でも嫌というほどわかる。

そしてそれは刹那も同じみたいだったようで、下を俯きながら顔を覆っている。真っ赤な耳は隠れていないが。


次に、晴生が言った。耳を自分でも疑うぐらいの内容でもあったが、


「今の役職配分1つ削ってもう1つ副部長枠作ってそこに永遠を入れるか」


・・・・


・・・


・・


・はっ!?・・まじかよ・・・

今回も読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願いします!

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