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46.一方でその3・・楽しみだなぁ・・

 「ふふっ、楽しみだなぁ」

と私は自室のベッドに寝っ転がりながらそんなことを呟いた。

だって、永遠が彼氏になっての初めてのデートだよ、すごく嬉しい!


永遠とデートができるのが嬉しすぎて、ドキドキして、楽しみで今日永遠と決めた私と永遠の2人だけの初デートプランを頭の中で何度も思い描く。

「んーーーー!」


そしてその度にこれからが楽しみすぎて私はベッドの上で足をバタバタさせたり、体をもじもじさせる。

とはいえ、その日は私の誕生日でもあるのだが、私の誕生日を初デートの日に選んでくれるなんて、永遠らしいな。


「だけど、私だけが決めるのは違うと思うんだけどなぁ」

と愚痴つく私。そう、永遠自身は行きたいところなどなく、私に言い方を悪くすれば私に全投げしようとしてきたのだ。


私の誕生日だから!とかそんなことを考えて私を優先しようとしてくれたからなのだろうが。

だけど、私の行きたいところばかりのデートなんて本当には楽しめないよ。


とはいえしょうがないかもしれない。

永遠自身これまで自分が何かをしたいと言ってくることはなかった。私の家に永遠を向かい入れたということが永遠に気を遣わせたのかもしれない。


私や両親が『何か欲しいものはない?』とか聞いても

『俺なんかには必要ないよ』とか言って、挙げ句の果てには私や両親自身が欲しいものでいいと答えたぐらいだ。


私は永遠との時間を私も永遠も2人とも楽しめる時間にしたい。きっと永遠なら『刹那といられるなら俺は楽しい』とかを言ってくれるだろう。それも心の底から。もちろん私も永遠と一緒にいられるならなによりも幸せなことである。


だけど、それだけじゃ、足りない。私はもっと永遠のことが知りたい。好きな食べ物・・・は口では言わないけどこれなんだろうなぁって、好きなこと、場所、色、行きたい所、何か気になること、永遠が心の底からしたいこと、そんな永遠をもっと知って、もっと好きになりたい。


そしてついさっき、ちょっと強く当たってはしまったが、永遠から行ってみたいところを聞き出すことができた。


行きたいところを少し恥ずかしそうに語る永遠はとても楽しそうだった。そんな永遠を見ると胸がキュッと締め付けられて愛おしくなる。

私達にとって最高の日となりますように・・・とまたプランを脳内再生しながら祈っていたのだが、


「やばい!」

と私はここで、最も重大なことに気づいた。


慌ててベッドから飛び降り、自室を隈無く探索するがこれといってめぼしいものはなかった。

流石にこれはまずいよね・・・?


せっかくのデートだ。永遠にはもっと私を見て欲しい。そのためには・・・

と私はスマホをすぐに手に取り、『愛華』と表示されている画面を確認して電話をかけるのであった。



その後、電話に愛華がめんどくさそうに電話にでてきたが、相談をすると、午後から呼び出しをくらい、愛華と2人で買い物をした。


普段の私だったらありえないようなものを買った気がする。ソワソワしてなんだか恥ずかしかったが、永遠に見てもらいたいから、慣れないなか自分にしては頑張ったほうだとは思う。





 デート当日の朝、私は今家に1人でいる。永遠には先に行くようにお願いしてみた。

デートといえば待ち合わせだろう。


疑問にしているような顔だったが、素直に先に行ってくれた。これもちなみに愛華からのアドバイスだ。

そして、私は先日愛華と買ったものに着替えて、準備をした。少しだけ頑張ってみてちょっとだけお化粧もしてみた。


気づいてくれるかな?永遠がこれを見てどんな反応をしてくれるのか楽しみすぎて、思わず顔がふにゃけてしまう。


あれこれと準備をしていると、時計を見ると9時15分だった。ここから歩いて行けばだいたい10分なのでそろそろ出ないとまずい。

再度、確認をした私は家に鍵をかけて駅に向かうのであった。



「どうしよう・・」

駅に着いたのだが、夏休みの駅前を私は少し舐めていた。どこを見渡しても人で溢れかえっており、永遠を見つけることができない。


不安な気持ちになりつつも永遠を必死に探す。


「きゃっ」

「おっと」

見知らぬ男性とぶつかってしまい、私はすぐに謝る。


「すっ、すみません」

そうしてすぐに永遠探しを再開しようと思ったのだが、

「君、こんなところに1人でどうしたの?」

と話し掛けられてしまった。


「・・・」

私は不安で怖くて思わず俯いてしまう。・・・永遠・・・どこ・・?

「迷子なのかな?・・・とりあえず一緒に来てもらえない?」

と手を伸ばしてくる男性。私は不安や恐怖で喋ることも体を動かすこともまともにできなかった。


そんな時、

「刹那!」

と私を呼ぶ優しくて、聞くと心が温かくなる大好きな人の声が届いた。

「永遠!」

と私も名前を呼び、顔を上げる。


そこには永遠が私を守るように手を水平に掲げて男性との間に立ってくれていた。

今回も読んでいただきありがとうございます。

面白い?続きが気になるかも?と思った人はブックマークや評価を是非。

今後もよろしくお願いします!


今回は久し振りの刹那視点にしてみました!

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