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44.いつもとちょっこと違う朝

 あの後刹那をベッドまで運び入れ一緒に寝た。もちろん俺はそれ以上何もしてません。

ちなみに運び方は皆様のご想像にお任せする。


 そして翌朝、珍しく俺の方が刹那より早く起きたので、朝飯を作ったり洗濯やら掃除なども済ませておいた。


久し振りの作業に苦戦したが、刹那はまだぐっすりだった。やはり、ここ最近は相当疲労が溜まっていたようだ、あのまま無理をさせていたらまたぶっ倒れたかもしれないと思うとゾッとする。


そして、9時過ぎになっても起きてこなかったので一旦様子を見に行くことにした俺は刹那がいる俺の部屋に向かった。


すると、刹那もちょうど起きたらしく、目を眠たそうにこすっていたがこちらを見て、

「おはよう、永遠」

「刹那、おはよう」


そしてハッと気づいた顔をして、

「今何時?」

「9時過ぎだけど、」

と俺が伝えると、


「あわわぁ、ごめん永遠。待っててすぐに作るから」

と慌てて動きだそうとするので

「今日は大丈夫だよ、俺が朝飯は作ったし、洗濯やら掃除とかは済ませといたから、なんか至らない点があれば後でやっといて」

「ありがとう、永遠」

と晴れやかな笑顔を浮かべる。やっぱり刹那の笑顔はかわいい。


「ちゃんと寝れたみたいでよかった。下で待っているからゆっくり着替えてきて」

と刹那の「うん」を聞き、俺は部屋を出てリビングに向かった。




 イスに座ってスマホをいじりながら待っていると、刹那がやってきたので、俺達は朝飯を食べ始めた。

中身はトーストと大皿に切ったりちぎったりしたレタスやキャベツ、他にはミニトマトなどをのせたサラダ、そしてゆで卵となんかまとまな料理をしてない気がする。刹那に申し訳ない。

とそんなことを思っていると、


「ありがとう、作ってくれて。永遠の料理おいしいよ」

と相も変わらず俺の料理をおいしいと言ってくれる。


「どういたしまして、と言いたいのだが料理というほど何もできてないんだが・・・」

「まぁ、確かにそうかもね」

「・・ですよね」


と刹那に苦笑いされる始末。・・・・かなしい。

そうですよね、刹那さんの料理のほうがずっとおいしいですもんね。俺も刹那の作ったやつが食べたいです。

とガクシと肩を落としていると、


「そんなに落ち込まないでよ。永遠を責めてるわけじゃないから!」

と刹那は励ましてくれる。

「いいよ、いいよ」

と返す。料理ができるやつに慰められても虚しいだけである。


「そ、そうじゃなくて」

「て?」

と聞き返す。そうじゃなかったら何なんだ?


「だから、その・・好きな人が心を込めて作ってくれることが私は何よりも嬉しい」

と顔を赤まれせて、少し恥ずかしそうにしながらも優しい笑みを浮かべる刹那。

いきなりそんな顔に、そんな嬉しい言葉にドキリとさせられる。


「それにほら、ゆで卵でも茹でてる間にちゃんと卵を転がして黄身が端に偏らないようにしてくれてるし、私のゆで卵の好みに合わせてちゃんと湯で時間を短めにしてくれてるじゃん。永遠は固いほうが好きだから私のことを考えて作ってくれたんだよね。そういう所が何よりも私は嬉しいな」

「・・・ありがと」

なんとか返事をする。そんな風に褒められて嬉しくないわけがないだろ!


刹那に言われてすごく嬉しいけど、なんかくすぐったくて恥ずかしい。

顔が熱い。見えてないが鏡で俺の顔を見たら、真っ赤になっているだろう。


なんだろう、昨日あんなことを言ったなかだが、やっぱり前言撤回するかも、刹那からは優しくされたい・・・。


「まぁ、でもまだまだな所もあるのはしょうがないね、サラダでも、レタスやキャベツのちぎったり切ったりする大きさはもう少し1口の大きさにした方がいいかもね。簡単にできることでも、少し直すだけでうんと良くなるから。また、教えてあげるね」

と言われ現実に引き戻された俺


「はい、よろしくお願いします」

俺ももっと家事を勉強しよう。そう思った今日この頃。


 あの後も飯を食べ終えた俺達は、刹那が皿洗いをすると言って引かなかったのでそこは甘えてお願いすることにした。

今までの刹那の家事の量と比べたら今日の朝をやらなかったからと言っても別に特に問題ないと思うんだけどもな。


「永遠、終わったよ」

「そっか、ありがとう」

と刹那がソファーでくつろぐ俺の隣に座ってくる。

もう、気づけば刹那が隣にいるということには慣れてきた。いつも通りのことをするだけなら落ち着いて刹那との時間を楽しむことができる。


そういえば、もうすぐだな・・・と思った俺は、

「刹那」

「ん?どうしたの?」

首を傾けてくる刹那。


なんか、自分からこういうのを誘ったこともないし、そもそも自分達にとっては初めてのことですごく緊張する。


「・・・」

「永遠?」

俺が何も言わないことに少し不安そうな表情をする。

あぁ、ごめん。そんな不安な顔はしないでくれえー。


「12日って何もない?」

と聞くと、ほっとしたような顔になり、

「うん、空いてるよ」

と答えてくれる。


とはいえ、俺が何を言いたいか刹那は大体わかったようだが。俺は意を決して刹那に伝える。

「なら、その日デートしないか?」

今回も読んでいただきありがとうございます。

新たにブックマーク登録ありがとうございます!

面白い?続きが気になるかも?と思っていただけた人はブックマークや評価を是非。

今後もよろしくお願いします!


次回から永遠と刹那の夏休みデート編!

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