42.寝よう・・・今度こそは
あの後は大変だった。愛華と晴生に何をお願いするつもりなのか!
と問い詰められたり、日頃からどんなことをしてるんだあ!と聞かれたりして、適当に流すのに苦労した。
部活が始まったので、刹那への問い詰めは終わったが、パート練で教室に移動した後にも俺への尋問は続き、
2人は終始ニヤニヤ、俺は恥ずかしくも少しだけ話した。きっとあの時の俺は顔が真っ赤だったに違いないだろう。
「これが友人の恋路かぁ、ぜひぜひ今後も進展の話もよろしくな」
とニヤニヤしながら言う晴生と愛華に、
「それとこれは関係ないだろ。
それに・・・お前らとは友達じゃない」
と言ってしまった時、一瞬だけ2人の顔が少しさみしい顔をしていたがすぐにニヤニヤ顔に戻し、尋問が再開したが。
すまないな、お前らは悪くない。俺がまだ認められないんだ・・・。と心の奥底で思った。
そんなこんなで、今は帰宅して就寝前となり、家で俺のベッドの上で刹那と肩をくっつけながら隣で座っている。
今は他愛のない話をしており、風呂などを済ませて後は寝るだけだ。
風呂上がりの刹那は髪をおろしている。顔もまだ湯冷めしてないからか少しだけ赤い。
刹那が動く度にシャンプーの匂いがやってくるのがわかる。
格好は薄着で風通しのよい薄いピンク色の半袖のTシャツとハーフパンツぽい。
俺達はおしゃれとかは一切皆無なので、あまり服とかを持ち合わせていないし知識もない。
一応刹那は友達と遊ぶように少しは意識したものを持っているらしいが、その時専用らしい。
おしゃれとかわからない俺ではあるが、確実に言えることはどんな格好の刹那でもかわいいということだ。
シンプルな服装ではあるものの、スラリと着こなしており、スタイルの良さも浮きだって見える。
服の袖先から見える白くて細い腕、そしてハーフパンツからのぞかせる白い足の破壊力は絶大である。
「じゃあ、そろそろ寝るか」
と時間を見て確認する。
「そうだね」
と刹那も了承し、電気を消して俺達は背中合わせでベッドに入った。
入ってから少しして、
「ねぇ、こっち向いてくれない?」
と呟く刹那。
「ご、ごめん、今はまだ無理」
とチキンな俺は刹那の申し出を断った。
「だよね、ごめんね。ちょっとここ最近寂しくって」
と声が弱々しくなるのだが、一転して
「そこで、永遠に1つなんでも聞いてくれる約束をここで使います!」
「はっ!今!?」
急すぎて驚くがぶっちゃけ内容には想像がついた。
きっと刹那のほうから強制されれば、俺は何も覚悟しなくても動くことができる。恥ずかしいのは置いといて。
だが、それでいいのだろうか?俺が1歩踏み出せばそれで済むはずなのにその1歩を刹那に歩ませるのか?
その時、背中越しに刹那が少し体を震わせているのが伝わってきた。
そんな震えを感じとった瞬間に意思は固まった。
「お願いはね、私と・・・」
と言う言葉を遮り、
「刹那、俺と向き合って寝てくれないかな?」
と体を回転させ背中を向ける刹那の方に向き直り後ろから抱き締める。
「へっ!・・・いい・・の?迷惑じゃ・ない?」
と嬉しそうにしながらも不安が混じったような声音だった。迷惑なことを自分が強要させてしまったのではないかという、そんな不安。
「ううん、迷惑じゃない。俺は刹那ともっと近くにいたい。ごめんなずっと刹那に我慢させて、刹那にとって辛いことをさせようとして」
と刹那の後ろから少し強め抱き締めた。
刹那は体を一瞬緊張させたが、すぐにその緊張をほどいていく。
「ありがとう、永遠。やっぱり優しいね」
と言いながら、体を回転させて顔をこちらに向けてくる、と俺は鼓動がどっと速くなるのを感じた。
目元を潤わせながらも、頬を赤くし優しく微笑む刹那の顔が互いの鼻が当たってしまいそうな距離にあって見とれてしまっていた。
と俺が固まっていると、刹那はニヤニヤとし、
「ふふ、永遠はこれでやりたい放題だね」
「なっ、!」
となんだかいけない想像が広がってしまい。顔が一気に熱くなる。
「あれ?何を考えちゃったのかな?」
と図星を突かれて恥ずかしさで何も言えなくなったときに
ふと俺の額にやわらかい感触がした。頭が真っ白になる。
刹那が額にキスした!?
するとそこには顔をさくらんぼのように赤く染めながら、
「私からの、お礼」
と言ってニコッと笑った。
「・・・」
俺は言葉を発せないでいると
いきなりぎゅっと抱き締められて、刹那が顔を俺の胸に埋めてくる。
「へへっ、照れてる永遠もかわいい~」
とまるで自分の顔を誤魔化すかのように顔を俺の胸で左右に動かしながらグリグリと押しつけてくる刹那だが、チラリと見えた耳は真っ赤に染まっていた。
「こうしてると、永遠はすっごく温かくて安心する・・・」
と言って寝息をつき始めた。
さっきから額にキスされたり、ぎゅっと抱き締められたりして俺が追いつけないでいる間に寝てしまった。
刹那がぎゅっと体を密着させているため、刹那のやわらかい胸が腹部に押しつけられる。足もいつの間にか絡まれており、刹那の肌を直に感じてしまい。
理性が抑えきれなくなってしまいそうだった。
寝ないで理性としばらく闘っているとようやく慣れたのかそれとも疲れたのか眠たくなってきた。
刹那を優しくぎゅっと抱き締め返す。ドキドキが加速するが、それ以上にとても落ち着いた。
安心しきった俺の意識はいつの間にか落ちていくのだった。
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次から夏休み編に入ります。




