35.人の前で
今は昼休みいつも通り刹那と弁当を食べるはずが、もう2人と一緒に弁当を食べており、ただいま尋問の真っ最中である。
朝俺が捕まった男子と女子だ。
紹介しておこうこの男子は、大空 晴生。
そして、女子の方は、桜木 愛華。
晴生は170cmと俺よりちょっとだけ背が高い。勉強は普通だが、運動神経は良い。顔はイケメンかと言われればそうではないが、性格がお節介で色々な人に絡んでいる。
でも優しくちゃんと悩んでいる時は親身になって話を聞いて、相談にのり、多くの悩みを解決させている。いいやつなのだが、俺の前ではダルがらみでうざい。
愛華は刹那と身長は同じくらいで、気が男勝りで口が悪いところはあるが、なんだかんだでいいやつだ。
口が少々悪い所を抑えれば、顔もいいし、スタイルもいいためモテるであろうが、彼女はアイドル一筋である。
勉強はサボりがちで運動は普通といったところだろうか。
あと、刹那と仲がいい。他には刹那よりも大きい、何とは言わないが。
この2人は同じ吹奏楽部員で俺と同じトランペットパートである。
人と関わりを持たないようにする俺でも流石にパート内は交流するようにしている。
ちなみに刹那はクラリネットだ。
俺は距離を置こうとしていたのだが、ある時期からこの2人がグイグイ来るために諦めた。
一通りの尋問を終えて、
「にしても、学校一レベルの美少女とお前が付き合うことになるなんてな。明日は雪だ」
と笑って晴生が言う。
続けて愛華は、
「そう?私は刹那から話は聞いたことがあったから、やっとかて感じだけど」
「その節はありがとうね、愛華」
と女子2人でクスクスしている。いつの間にそんな話が行われていたのかは知らないが。
「にしてもお前ら朝からイチャイチャしやがって、なんだ自慢か?」
「そんなんじゃないって、もう俺は他の男子に殺されるかもしれん」
そう、今日の学校での他の生徒から浴びるするどい視線は凄まじかった。晴生の言うとおり多少自慢は入っているかもしれないが、俺としては刹那との時間を優先したにすぎないのだが、そんな事情は他の生徒には知ったこっちゃないだろう。
「まっ、しょうがないんじゃない。刹那は学校で超有名人でマドンナ的存在に対して、その隣に立つやつが冴えない男だからなあ」
と、ど直球に言ってくる愛華。
わかっていたが、そんなはっきり言われると悲しい。もう少し気遣ってくれてもいいんじゃないですか。
「それは言い過ぎだよ。私の他にもかわいくて、いい子はたくさんいるよ」
「なんだぁ、私に対する嫌みかあ、このやろう~」
「ちょ、いきなりくすぐってきてなに!やっやめてよ。あっ、そこは勘弁してー」
と女子2人でイチャつきはじめる。
何を見せられてるんだ。背景になんか白い花が見える気が・・・。
だが、くすぐられている刹那も子供みたいでかわいい。
女子のイチャつきが一段落し、晴生が、
「まぁ、永遠は嫉妬の目線がやばいだろうけどがんばー。殺されんようにな」
「そうだな、身がもつかどうか」
と笑ってバンバン叩いてくる。痛いんだけど。
「大丈夫だよ。永遠にそんなことは遭わせないから!」
と優しくニコっとこちらを見てくる刹那。
「ありがとう、刹那。だけどもそんな気張らなくても大丈夫。そうやって、また1人で抱え込まないでくれよ。俺だって刹那に悲しい思いはしてほしくないからな」
そう言い、刹那の頭をそっと撫でる。
刹那も気持ちよさそうに目を閉じながら俺の肩に頭を乗せてくる。
そんな様子を見ていた2人は、
「俺達は空気か何かか?」
「人のイチャイチャほど不愉快なものはないわね」
という言葉に我に返った。
やばい、忘れてた。一気に恥ずかしくなり撫でる手を離す・・・のだが、刹那に抑えられてしまい、
「・・・・もうちょっと・・だけ」
と恥ずかしそうに甘える。そんな刹那にドキドキさせられながらもぎこちなく頭を撫でる。
髪はさらさらしてるし、ふわり香る甘いにおい。そして、肩からは刹那の体温が伝わる。
隣をチラ見するとニヤニヤしている2人、頼むからそんな顔でこっちを見るのはやめてくれ。
「俺達はお邪魔らしいな。先教室に帰るわ。公衆の前での見せつけはほどほどにしてくれよ」
「お幸せに~」
そう言って立ち去る2人。屋上には先程までの騒がしさは消えて風が吹く音だけが辺りをこだまする。
「んで、いつまでやるの?」
「う~ん、気が済むまでかな」
「はいはい、わかりましたよ」
「ふわぁーーー」
気持ちよさそうな高い声を出す刹那。
ちょっと色っぽい声だったため、理性が揺さぶられるがなんとか抑える。
次の授業の予鈴が始まるまで、寄り掛かるかわいい刹那を撫でて過ごしたのであった。
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何で屋上に行っても他の生徒に見つかることがないのだろうか。
35話目にして2人に大きく関わる人が登場と、遅すぎますがこれからちょくちょく出していきます。




