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33.朝一の笑顔

 「永遠、起きて。朝だよ」

刹那か?起こしに来てくれたのか。だけど眠いからもう少しだけ・・・


「起きないなら、いたずらしちゃうよ」

いたずらって・・・ちょっと気になるな・・・


すると頬に何かつんつんされている気がする。

目を開くとそこにはニコニコしながら、まじまじとこちらを見つめる刹那の顔が目の前にあった。


そして、その距離のまま、ニコっと笑って、


「永遠。おはよう!」

「えっ、あぁ」


と余りにもまぶしすぎる笑顔を至近距離では受け止めきれず、顔を背ける。

すると、刹那に両手で俺の顔を押さえられて、向き合わされる。


「おはよう!」

と今度はムスッと頬をふくらませて、いじけた様子で挨拶された。

これちゃんと目を見つめて挨拶しなかったから拗ねたの?


「刹那。おっ、おはよう」

俺は、なんとか挨拶を返す。


すると、さっきまでの表情から一転、にぱっと明るい笑みを浮かべる。

「うん!おはよう!朝ご飯できてるから、下で待ってるね」

とふんふーんと上機嫌で出て行く刹那。


のだが、俺はベッドで固まったまま動けない。自分でもわかる、今俺の頬は赤くなっていることだろう。熱くなってるのは嫌でもわかる。


いや、だって起きたら目の前で白く透き通った肌に、ポッと少し赤く染まりながらも、かわいい笑顔がそこにあるのだから。そしてまっすぐに見つめてくる真ん丸とした黒く透き通った瞳。


これに対して見つめ返して素直に挨拶するというのは至難の業なのでは?と心の中だけで言い訳をしておく。かわいいからいいのだが。


おかげで眠気はドキドキによって一気に吹っ飛んだが、同時にもう少しでショートしてしまうところだった。


朝一発目の美少女の眩しい笑顔は人を失神させるほどの力を持つようだ。



あの後、少し落ち着き体を動かせるようになったので、着替えを済ませてリビングに行くと、テーブルには2人分のトーストとベーコンエッグと1つの大皿にサラダが置いてあり、刹那はイスに座って待っていた。


「ごめん、お待たせ」

「ううん、大丈夫。さあ、食べよっか」

ちゃんと待っていてくれたらしい。刹那のほんの気遣いに心が温かくなる。


俺も席に着いて合掌する。

「だね、いただきます」

「いただきます」


と朝食を食べ始めた。定番の組み合わせではあるが、ベーコンはカリッと焼かれ、目玉焼きの方も俺が好きな半熟よりちょい固めに仕上がっている。


「どう、おいしい?」

「今日もおいしい。ありがとう」

「ふふっ、どういたしまして」


と、嬉しそうにこちらに微笑んでくる。俺もそんな笑顔に自然と笑みを返す。

ぶっちゃけた話、今までと何も変わらない朝食だが、とても嬉しい。

恋人になったからって特に変わらない。お互いの気持ちを伝え合い、受け入れただけだ。

刹那と一緒にいられるなら幸せだ。


「ごちそうさま」

「ごちそうさま!」

「じゃあ、俺が皿洗ってくるね」

「うん、ありがとう」

「いいよ、作ってくれたのは刹那だから、ゆっくりしてて」


と俺は洗い物、刹那はソファーでスマホを見ながらくつろいでいる。

洗い物だが、調理器具は既に刹那が片付けてくれているので、俺のやることはほんとに最低限のことだ。


ご飯を作るのは、当番制にしたはずなのだが、気づけば、刹那に台所の使用権を握られてしまった。

だから俺が作るときは自身が作りたくなったときや、刹那が体調を悪くさせたときぐらいである。


洗濯や掃除も済まされているので、マジで何もしていない俺。


そんなことを考えていたら洗い物が終わったので、刹那の方に向かう。

刹那が自分の隣をポンポンとする。


俺は促され、刹那の隣に座る。ちょっと隙間を空けて。


「むぅ~」


そんな俺を見て、刹那はすこしふてくされながら、俺が空けた隙間を詰めて、体を密着させてくる。

互いの肩が触れる。


「もう、付き合ってるんだから、間空けなくてもいいでしょ」

と刹那がふてくされながら言ってくる。


「だって、恥ずかしい・・し」

「もう、私だけ、こういうのやってて・・・・・永遠は嫌?」

と少し不安の混じった甘えた声で言う。そんな声に俺はまたドキリとする。


「嫌じゃない。むしろ嬉しい、こうやって刹那と触れられて、感じられて、温かくて幸せ。ただ、俺が今まで以上のことになると、まだ慣れないというか、ごめん」


「ううん、嫌じゃないなら嬉しいな。私も永遠と一緒にいられて温かくて、ずっとこうしていたいな」


と俺の行動がただの恥ずかしがっていただけということがわかり、ほっと安心したのかそっと腕に刹那が体をもたれかけてくる。


腕に重みを感じ、それ以上に温かくて、女の子特有のやわらかさ。ふわりとした甘い匂いがやってくる。

自分の鼓動が加速していくのがわかるが、それとは反対に気持ちがすごく落ち着く。


「頑張って、慣れるよ」

「じゃあ、もっと積極的にいこうかな~」


と言って小悪魔な顔でニヤっとする刹那。


まじかよ、これだけでも心臓が飛び出そうなのに。

でも、この時間がすごく幸せなことには違いない。朝からスタミナがごっそり削られているが。


俺達がそんな時間を過ごしていると、刹那のスマホがピロンと音が鳴る。


「あっ、部活からだ」

「どんな内容?」

「えーとね、ゴールデンウィークにある部活は緊急の学校の会議となったために中止ななりました。だって」

「まじか、大丈夫か?うちの部活」

「まぁ、うちの学校全部活そうぽいっし。

それよりも、一緒に過ごせる時間増えたね」


と嬉しそうに、首を斜め前に傾けて微笑みかけてくる。

そんなあどけない顔もかわいいと思いながら、


「まあ、2人楽しく過ごすか」

と刹那とゆっくりとした日々を過ごすのだった。

今回も読んでいただきありがとうございます。

新たに評価ありがとうございます!

今後もよろしくお願いします!


今回で永遠と刹那が付き合うという一区切りがつきました。

次回からは恋人同士になった2人がさらにイチャイチャし始めます。


今後も甘々をお届けできたらなと頑張っていきます!

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