27.今もずっと
「うわっ」
暗い山道を歩いていたのだが、何かにつまずき転んでしまった。
「刹那!」
そう言って駆け寄ってくる永遠。
自分の膝を見ると血が滲んできている。痛い。涙がこぼれてしまう。
「刹那、ちょっとごめん、じっとしてて」
「ぐすっ、・・・うん」
そんな私を見た永遠は自分のハンカチを出して膝についた土を優しく払った後、そのハンカチで擦りむいた所を覆うように結んでくれた。
「よし、とりあえず今できることはしたんだが、大丈夫か?」
「うん、ありがとう」
そう言って私は立ち上がる。
怪我したところは痛むがなにより温かった。そうして、私が歩き出そうとすると、
永遠は私の手を握ってきて、
「怪我して、うまく歩けないだろ。ちゃんと歩けるように手伝うよ」
そう言われ、私達は手を繋いでゆっくり歩き始めた。
「このペースで大丈夫?痛くない?」
「ううん、ちょっと痛むけど大丈夫」
「そうか、きつくなったら、ちゃんと言ってよ。そのときは休むから」
「ありがとう。優しいね、永遠は」
「そっ、そんなことはないよ」
そう言って、顔を背ける永遠。暗いから顔がよく見えなかった。
帰り道も私を不安にさせないようにしたのか、家までの道を聞きながらもさっきの話の続きをしてくれていた。
私も自然と笑顔がこぼれ、怪我の痛みなど忘れてしまっていた。
もっと永遠と話ができたらな楽しいなってそんなことばかり考えてた。
家に着くと私と永遠の両親が家の前で立っており、こんな遅い時間で家にいなかったことが不安だったらしい。
2人して色々と怒られたが、遅くなった理由を伝えると私の両親は永遠に、永遠の両親は私に話し始めた。
「うちの子がごめんね。一緒に遊んでくれてありがとうね」
さっきまで怒られていたのに急に雰囲気が明るくなって戸惑う私はうんうんと言うことしかできなかった。
永遠もなんか言われていたようだがあの時は聞こえなかった。
それからは、両親どうしが自分達の家事情について話し合っていた。
取り残された私に永遠が話し掛けてきて、
「家、隣だったんだな。知らんかった」
「私も」
「これからもよろしくな」
「こちらこそ」
クスッと2人で笑った。
この日から家同士での付き合いが始まり、私は両親の仕事の帰りが遅くなるときは宿題や夕ご飯まで永遠の家でお世話になった。
永遠のお母さんは明るくて優しくて、気軽に接してくれた。
永遠のお父さんは仕事帰りで疲れているはずなのに、それを感じさせず明るく接してくれた。
学校でも永遠のおかげで友達ができ、学校が終わった後も、暗くなるまでは永遠と遊んでから帰った。
2家族みんなで誕生日やクリスマスを祝ったり、大きな休みがとれたときには旅行に行ったりなどした。
初めて会ったときからずっと・・・今も、これからもずっと・・・
再び永遠の方を向く、まだ寝ているが。
今の私がいるのは永遠のおかげだ。ありがとうね。
とまぁ私の初恋の経緯はこんな感じだ。
「ふわああ・・・」
思わずあくびが出る。
「私も一眠りしようかな」
そう呟き、隣に寝転がる。永遠の顔を見つめる。
見つめるほど愛おしさが増してくる。好きだ。
永遠のこともっと知りたい、永遠ともっと一緒にいたい、いろんなことをしたい。
この気持ちを伝えたい。でも怖くて伝えられない。苦しい。辛いよ。抑えきれないよ。
でも今なら・・・少しならいいよね。私は寝ている永遠を抱き締める。
「永遠、温かいなぁ」
自分の心臓がばくばくと打つのがわかる。
恥ずかしいが、今はこの温もりを離したくない。もっと永遠を感じていたい。
「うっ・・・」
永遠が何かを言い出した。やばい起こしちゃったかな焦ったが、
「好きだよ・・・刹那」
「へっ!?」
いきなりすぎる告白に頭が真っ白になるが
「すーー・・・」
「ふふ、寝言か」
この寝言はどういう意味なのだろう。私の思いと同じなのだろうか・・・だといいな。
私はより強く永遠を抱き締めて、
「私も、ずっと、永遠のこと大好きだよ」
と言い、眠りにつくのだった。
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たとえ寝ていて気づけなくてもいいから一度は言われてみたい。




