23.まさかの決着?
俺達はなんとか学校に着いた。
いつもより時間をかけ、始業前ギリギリにはなったが、間に合ってよかった。
これで間に合わなかったら、また自分を責めるだろうからな。周囲に人はいない。
みんな教室にいるようだ。
助かった・・・・この光景を他の人に見られたらまずすぎる、てか恥ずかしい。
玄関に辿り着き、上履きに履き替え終わると後ろに石田がいた。
俺は刹那を守るように右手を水平にあげて立ち、
「お前!」
と睨みつける。
刹那は俺の後ろに隠れるように左腕にしがみついている。体の震えがこちらにも伝わってくる。
「・・・」
石田は黙ったままだった。しかし、警戒は怠るわけにはいかない。
今は周囲に人はいない、なにをしてくるかわかったもんじゃない。と静寂な雰囲気に包まれる。
「・・っす・・・」
?石田がしゃべり出す。
「すっ、すみませんでしたあ」
「えっ?」
俺達はそう言うことしかできない。
「もう2人には近づきません!関わりません!だからもう、これ以上は!」
と言って大慌てで玄関を駆け抜けていく。
ぽつんと俺達はつっ立っていた。予想の斜め上すぎて唖然としていたが、俺は刹那の方を振り返って
「大丈夫か?」
「うん。なんか、私よりびびってたね」
「ありゃあ、本気で恐怖を感じてたな。たぶんもう関わってくることはないだろ」
「ははっ、なんか私だけこんなにびくびくして馬鹿みたいじゃん」
と笑い出す刹那。体の震えももう止まっている。
予鈴のチャイムが鳴る
「時間やばいな」
「そうだね、早く来ないとおいていくよ」
と明るい声で言い、走り出す。
「はいはい」
と俺も追いかける。
あれから日が経ち、今日は4月末の金曜日の帰り道、今日も刹那と帰っている。
あれから石田は本当に俺達に関わってくることはなかった。石田はいつも通り普通に過ごしていたが、俺達を見てくることはなかった。
特に俺の場合は近くを通っただけでも動かなくなってしまった。
刹那もすぐに立ち直り1日で元気になった。
そんなこんなでやっといつも通りの日常がやってきて、のびのびと過ごした。
でも唯一困ったことは刹那との距離感が一気に近くなったことだ。
いやまぁ嬉しいこと限りなしなのだが、恥ずかしいものは恥ずかしい。
今もそうだあの日から登下校で周りに生徒が見当たらなくなると手を繋ぐことになったのだ。
おかげで平和な日々のはずが少し疲れる。
「土日は部活も休みだよね?」
「うんそうだな」
「じゃあさ、明日一緒に出掛けない?せっかくの休日だし」
「わかった、いつから行く?」
「ありがとう。じゃあ、11時かな。どこに行くかは明日までの秘密ね」
「なんだよ、それ」
「ふふっ、その方が楽しみでしょ」
「そうだな」
どうやら明日の予定は決まったらしい
てあれ?刹那と2人で出掛ける?・・・・これってもしかして・・・・デートぉ!
やばい、おもわず急にそんなことを考えてしまい握っている手に力が入ってしまった。
刹那がびくんと反応した
「ふぇっ?」
「あっ、いやなんでもないない」
と言ったが、ムスッとした顔をされ、
「このぉ、よくもやってくれたな~私もやり返してやる~えい」
と刹那に手をぎゅっとされる。
「なっ、この。だったらこっちだって」
とやり返す。どうだ!と思っているとまた握り返された。そうしてまた握り返す。
とこんな馬鹿なことをしながら家に帰った。
家に着く頃には2人とも顔が真っ赤だったのは言うまでもない。
今回も読んでいただきありがとうございます。
今後もよろしくお願いします!
 




