14.手紙!?
月曜日の朝で、今は学校へ刹那と2人で登校中である。
今日から普通の授業が始まるため春休みはこれにて完全終了である。
隣を見る・・・うん、今日も刹那はかわいい。
と、そんなくだらなく当たり前なことを考える。
「今日から授業だね」
と刹那が話し掛けてくる。
「そうだな。先週が濃すぎて、やっと平和な日々がやってきそうだな」
ほんとに先週は色々なことがあった。
死ぬレベルのはずの事故から無事生き残ったり、俺には謎の痛みが襲ってきたり。
さらには、名も知らない女の子の怪我がなぜか完治してたり、荷物の持ち手が赤くなっていたりと。
濃すぎてまだ処理もできたもんじゃないが、一番の要因は間違いなく刹那との距離感である。
今まででもだいぶ距離感は近かったが、それ以上に近くなった気がする。
気が動転していたとはいえ、ハグしたり、手を握ったり、頭を撫でてしまったりと・・・・後は膝枕もされてたな。
起きたら目の前には、うとうとする刹那の顔が目の前にあって、後頭部には太もものやわらかい感触が当たっているとわかって大変だった。
寝顔はかわいいし、好きな子からの膝枕は心臓が飛び出そうだったが、それ以上に気持ちよかった。
ほんとはもう少し続けたかったが、ずっとは刹那の足に負担をかけるし、刹那の顔はずっと下を向いているので首を痛めてしまうので、刹那を起こさないように握られている手を離しながら、体勢を起こし、刹那をそっと横に寝かせた。
一応、毛布も掛けてはおいたが。
と先週を振り返っていると、
「でも、今日は平和じゃないわよ」
「えっ、まだなんかあった?」
「今日の科目・・・理系科目ばかりじゃなあぁーーい」
「・・・それだけ?」
「そうだよ。だいたいなんで2年生になって文系に分かれたのに、理系科目がなくならないの?」
・・・いきなり理系科目の愚痴を吐き始める刹那。そう、刹那は根っからの文系で理系科目が苦手なのである・・・
とはいっても、理解にものすごーく時間がかかるだけで、一度理解したら大丈夫らしい。
「永遠はいいよねぇ、理系の頭で。すぐに理解できちゃうんだから」
刹那の言うとおり、俺は理系の方が得意である。
じゃあ、なんで文系にきたかというと、単純に文系科目のほうが好きだからだ。
・・・・それに、文系の方が刹那といれるし・・・。
「でも、結局理解できたら、刹那のほうがやれるだろ?」
「そうだけど!すごく疲れるんだから。あぁ、今日はもうだめだ。てか月曜日がこんなのって、もう休もうかな」
「こらこら、そんなことで病むな。また家で俺が教えるから」
とまあこんな感じで理系科目の最初の理解のために俺がほとんど教えている。
学校で友達に聞きゃあいいものを、なぜか、家に持ち帰って聞いてくるのだ。
だがしかし、こちらとしては刹那と近くに入れる時間が増えて嬉しい限りで万々歳である。
「そういえば、今日やる物理基礎はたぶんいきなり公式3つくらいおぼえるぞ」
「えっ!なんでそんなこと知ってるの?」
「昨日、少しだけ教科書を見たから。時間と速さと距離だったかな、あと化学基礎はなぁ・・・」
「てか、もう理系の話は止めてー!授業で疲れるのに、今からそんなこと言われたら死んじゃう」
刹那が頬を膨らませながら、話を遮ってくる。
ていうか、さっきから周囲の目線が少し痛い。それになんか刹那との距離がいつもより近い気がする。
前までもう少しだけ距離を空けていたと思うのだが、いつの間にか15cm定規も入らないくらいの距離感である。
少しドキドキはしてるが、刹那はそんな感じではないので、気のせいかと思うことにしよう。
こうして刹那と話ながら2人で学校に向かう。
平和な日常である。こんな日々でいい。いつものように刹那と過ごせるのがなによりの幸せである。
やがて、学校に着いた。
すると玄関で刹那が
「あっ、手紙が入ってる。中身は・・・・『今日の部活後に教室に来てください』だって」
俺は驚いて固まってしまい、
「えっ」
としか口に出せなかった。
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