第五十五話 しょんぼりクーポン
お読みくださり、ありがとうございます。
県内で使えるプレミアム付きクーポン券が売り出された。
一枚千円で、二千円分使える。
実質50%オフ券だ。
発売日に買いに行ったんだけど。
売り切れだった……
数ヶ月前、隣の市でプレミアム付きクーポン券を売り出した。
販売箇所は、一箇所のみ。
道路が数時間渋滞して、ニュースになった。
当然のことながら。
苦情が殺到した。
次回の販売は、郵送での抽選とあいなった。
今回のクーポン券は。
各店舗で手に入る。
その代わり。
購入先のお店でしか使えない。
クーポン券は、数量限定。
お一人様、三セットまで。
人気店のクーポン券は、開店前に並ばないと手に入らない。
「入手困難なクーポン」が出るたび思う。
こんなもん、売るんじゃねえ!
割引率を下げてもいいから。
皆に行き渡るようにしてくれ。
買えた人って。
うれしくて、つい自慢しちゃうんだよね。
買えなかった人の前で。
「え? 並んで買えなかったの? 抽選でも当たらなかった? どうして? 私は両方買えたよ」
なんて言わないで。
言われた方は。
「へー、すごいね」と返してたけど。
隣で聞いてるオイラは。
冷えきったオーラが伝わってきて、凍えていたよ。
家族も、お肉屋さんのクーポン券は売り切れだったと、嘆きつつ帰ってきた。
買ってきた肉で、豚しゃぶ。
大変美味しゅうございました。
ちなみに、オイラが欲しかったクーポンは、本屋さん。
クーポンは買えなかったので、PayPayで。
クーポンを発行したのは、「みんなで買物しようぜ」ってことだ。
クーポンは県民しか買えない。
だけども。
県内でお金を使ってくれるんなら。
誰でもいんじゃね?
隣の市に住んでる人に。
PayPayで買物すると、こっちでは30%還元だよと教えてあげたら。
「いいこと聞いた」と喜んでいた。
でも、スマホを持ってないお年寄りには。
PayPayは無理だしなあ。
だからといって。
クーポンが欲しければ、開店前に並べというのも、酷な話だ。
ウチの家族は、お肉屋さんのクーポンが買えなかったせいで。
心が折れてしまったよ。
オイラは、豚しゃぶを食べすぎた。
健康診断があるのに……
クーポンのことは、忘れよう。
そして、動こう。
摂取したタンパク質を筋肉にかえるために。




