第三十話 節約は敵だ
お読みくださり、ありがとうございます。
買物することを、知人は「日本経済を動かす」と言っていた。
うん、いい響きだな。
無駄遣いしても、「日本経済のために、一肌脱いでやったのさ」と言い張ろう。
ゴールデンウィークはおとなしく家にいた。
インドア派なので、巣ごもりは全然平気だ。
新国立劇場のオペラとバレエを観ていた。
「巣ごもりシアター」で検索すると、期間限定でオペラやバレエを観ることができる。
新国立劇場のオペラは、チケット代だけで、2〜3万する。
それが、タダ。
コロナで、公演中止になっちゃったから。
ありがたいなー、と思いながら、観させてもらった。
バレエは全然馴染みがなかったけど。
タダなら観てみようと思った。
どんなイケメンでも、白タイツ履いてる時点で、もうダメだと思ったが。
黒タイツなら、許容範囲内だった。
この人たち、人外レベルで、すごいんですけど。
あんな風に、歌ったり、踊ったりできるようになるまで。
一体どれだけの努力を重ねてきたんだろう。
こりゃ、どう考えても、金を払わなきゃダメだろう。
ちゃんとチケット代払って、新国立劇場に観に行って。
拍手して、ブラボーって、言ってやりたい。
そんなわけで、金が要る。
フィリピンのことわざに、「金のない男は、羽のない鳥と同じ」というのがある。
厳しすぎる言葉だが、「男」を「女」に入れ替えたって、内容に変わりはない。
しかし、会社に「翼(金)をください」と、言うわけにもいかない。
翼は、自作するしかない。
翼が貧弱だと、外敵が襲ってきたとき、逃げきれない。
逆に、強くて、大きな羽根があれば、遠くまで飛べる。
やっぱりお金は大事だよ。
さて、今の私の翼のことだが。
ペンギンからスズメに。
スズメからカラスに進化中といったところだ。
目指すは渡り鳥。
海外の空を自由に飛び回れるようになりたい。
節約は、最後の手段にしておきたい。
これをやっちゃったら、後がなくなる。
個人的には、お金がなくても豊かに暮らすことができれば、最強だと思う。
「お金をあげるよ」と言われても。
「要りません。今の生活で十分満足してるんで」って、言ってみたい。
え、今ですか?
「お金をあげる」って言われたら、喜んでいただきますとも。
まだまだ、道なかばなもので……




