第二十七話 とりあえず黒字?
お読みくださり、ありがとうございます。
コロナショックで、最初に投資した120万円は、19万ほど赤字だ。
十年くらいほっといたら、元に戻るだろう。
……しょうがない。
投資にリスクはつきものさ。
と、割り切る反面。
この赤字、どうにかしたい、と思わずにはいられない。
せっかく青雲の志を抱いて、投資にチャレンジしたというのに。
コロナの荒波をザブンとかぶって。
ブルブル震えたままでいいのか。
……よくねえよ。
投資で受けたダメージは、投資で回収するしかない。
定期預金を解約するかどうか、迷う。
せっかく、他の金融機関から住信SBIネット銀行に切り替えたのだ。
利率だって、相当いい。
一年経てば、ノーリスクで利息が手に入る。
しかし、だ。
今、通常より株価が安くなってることは事実。
コロナショックから完全に立ち直るのが、いつかはわからないけど。
それでも、「いつか」はきっと来る。
わかってることは、ふたつ。
株は安い時に、買うべき。
あと、「平均への回帰」だ。
「平均への回帰」っていうのは。
株の上がり下がりのこと。
上がりすぎた株は、いつかは下がる。
下がりすぎた株は、いつかは上がる。
てことは、平均よりも、少し下がってる時に買えばいいんじゃね。
というのが、私の結論だ。
大幅に下がってる時に買えれば、ベストだけど。
そううまくはいかないだろう。
所詮はシロウト。
ベストより、ベターを狙え。
方針が、決まった。
切り札発動だ。
「いいのか、自分!?」と思いつつ、定期預金を解約しまくり。
海外ETFを買いまくった。
そしたら、黒字になった。
具体的に言えば、海外ETFのVOOが上がっていって。
19万のマイナス分をカバーできるくらいプラスになってる。
うれしいことは、うれしい。
なのに、思ったよりうれしくない。
なんでだ。
大人買いしたとんに、黒字って……
シロウトがチョチョイと買って、そんな簡単に儲かっていいのか。
毎月コツコツ買って、少しずつ増やしていくはずの計画は、どこ行った。
アリさんのような堅実な投資を目指してたはずなのに……
何かが違う気がする。




