第百七十六話 ウラを取れ!
お読みくださり、ありがとうございます。
いけないと思いつつ。
やめられないことがある。
本を読んでる人を見かけると。
何を読んでいるか、気になってたまらない。
ヒモのしおり付きの文庫本。
新潮文庫だな。
出版社の特定くらいならいいが。
それだけで終わらず。
表紙が見えたら。
タイトルと著者名をチェック。
内容をチラ見して。
ジャンルを特定する。
プライバシーの侵害だ。
ホントにすみません……
だけど。
その覗き見が。
すごく役立っている……
高速バスの中で。
小学生向けの調べ物学習の本を読んでる人がいた。
字が大きいので。
後部座席に座ってると。
内容が読める。
調べ物のコツが。
わかりやすく書いてある。
その中で。
一番印象に残ったのが。
ウラを取れ!
調べたいモノがあるとき。
一冊だけ読むのはNG
書いてあることが。
正しいかどうか。
判断できないから。
二冊以上読んで。
同じことが書いてあるか。
確かめよう!
それが。
ウラをとるということ。
逆に言えば。
ウラづけのない情報を。
信じてはいけない。
調べ物の基本を知らぬまま。
生きておったが。
おかげ様で。
一つ賢くなった。
見ず知らずの人よ。
ありがとう……
ウラを取るのも大事だが。
もうひとつ大切なモノがある。
「鮮度」だ。
情報は。
新しければ、新しいほど良い。
10年前。
風邪をひいたときに。
赤い発疹が出た。
皮膚科に診てもらったら。
帯状疱疹だった。
患者向けの冊子には。
一度罹ったら。
ほとんど再発しないと書いてあった。
ところが。
帯状疱疹のワクチンを打とうかどうか。
迷っているという人の話を聞いていたら。
「再発するかもしれないし……」
というワードが出てきた。
「再発しない」というのは。
昔の話だった。
帯状疱疹にかかると。
免疫がつくけれど。
数%程度、再発の可能性がある。
ウラを返せば。
9割以上再発しないとも言えるが……
重症化すると。
大変苦しい。
そのつらさを味わった人は。
ワクチン接種はマストと断言する。
コストもかかるし。
悩ましい。
体の片側に。
原因不明の痛み。
赤い発疹に触ると。
ちくっとする。
どちらかの症状が出たら。
迷わずお医者さんに行こう。




