第十七話 あきらめるしかない
お読みくださり、ありがとうございます。
投資信託が少し安くなってて。
よかった〜、今のうちに買っとこう、と思って、ポチッとした。
でもさ。
個別株と違って、投資信託って、リアルタイムで買えないんだよね……
なにせ、詰め合わせ商品だから。
15時までに申し込んで、翌日。
15時以降だと翌々日になる。
だから、安いと思って買ったら、翌日には値上がりしてた、なんてこともある。
まあ、逆のパターンだってあるかもしれないけどね。
それを言ったら、個別株だって、安くなってる! と、喜んで買ったら。
翌日にはもっと安くなってるってこともあるだろうし。
最高のタイミングで買うってこと自体、不可能に近い。
そんなことができたら、もうとっくに大金持ちだよ。
あきらめるしかない。
タイミングを気にしすぎると、仕事にならないしね。
数年前に退職した同僚がいた。
嘱託で再雇用されたけど、条件が悪い。
上司に不当な評価をされたと、ブツクサ言ってたらしい。
だけど、その人の隣席のパートさんが笑っていた。
「勤務時間中に、株価のチェックをしてたからね」
上司には、そのことがしっかりバレていた。
ずっと前に、定年退職した別の同僚。
悪い人ではなかったが、仕事上はあんまり頼りにならない人だった。
投資で稼いだから、もう働かなくていいらしいよ、と聞いた。
ふ〜ん、とその時は思ったが。
今は、しみじみうらやましい!
どうやって稼いだのか、教えてくれよ。
皆はどうしてるんだろう?
NISAで投資してる人を聞いてまわったら。
該当者が、二人いた。
何に投資してるの!? とたずねたら。
一人は、IoT関連の投資信託。
もう一人は、S株だった。
そっか……投資先は、人それぞれなんだな。
もし、それが儲かるとしても。
自分が納得できるものじゃないと、お金は出せない。
短期で稼ぐのなら、アクティブファンド。
長期なら、インデックスファンドがおすすめ。
なんて、聞くこともあるけど。
私は、アクティブファンドには手を出さないと決めている。
一つは、手数料が高いこと。
もう一つの理由は……
インデックスファンドの欠点として、機械的に選ぶから、業績の悪い会社も混じっちゃうということが挙げられる。
アクティブファンドは、ドリームチームみたいカンジで、これから伸びていく会社がビックアップされている。
だけど。
業績の悪い会社でも、一生懸命に働いている従業員はきっといる。
そう思うと、いい会社だけ、応援するってのもなあ……
ブラック企業を応援するかもしれないリスクはあるけど。
アクティブファンドに選ばれなかった会社も応援したい。
それが、私がインデックスファンドを推す理由だ。
まあ、自分で個別株を買うと失敗するってのも、あるんだけどね。