第百三十四話 図書館が……
お読みくださり、ありがとうございます。
駅のまんまえが。
空いたままだった。
ずっと。
空白地帯だったので。
いっそのこと。
観光案内所と一緒に。
図書館建てちゃえー、になった。
新しくなった図書館に、行ってみた。
館内を一周したが、本の位置がわからぬ。
司書さんに聞いてみたら。
二階にあると。
二階!?
前の図書館は、ワンフロアだった。
広さが二倍になったって、聞いたけど。
二階建てなら、倍になるわな。
驚いたことが、ふたつあった。
一つは、開館時間。
平日午後9時まで。
日祝日は午後7時までって、すごいな。
夜になっても。
明かりが消えないと思ってたら。
開館してたのか。
もう一つは、展望台があったこと。
しかも、3階に……
高層建築物がないので。
3階でも、展望台が作れちゃう。
図書館に必要かどうかは。
各自の判断に任せよう。
予約本のコーナーがある。
今までは、カウンターで受け取りだった。
これからは、予約本の到着連絡が来たら。
予約本の棚から、自分の頼んだ本を見つけ出して。
セルフで貸し出し手続きをする。
返却手続きもセルフかな。
今度やってみよう。
こども向けの読み聞かせイベントに遭遇した。
紙芝居の始まりだ。
「黄金バット」とか聞こえてきたが。
それ昭和のヒーローじゃ……
お子様たちに、高笑いの練習をさせている。
そうそう、黄金バットは高笑いするんだよねって……
知ってる自分がイヤだ。
図書館ではお静かに。
というルールは。
今はないことになっている。
2階に登ったが。
吹き抜けなので、丸聞こえだ。
紙芝居に心の平安が乱される。
落ち着いて本が探せない。
月光仮面とか。
レインボーマンとか。
主題歌まで思い出す。
そういえば。
けっこう仮面とかあったな。
それは思い出しちゃダメなやつ。
まだまだ修行が足りないな。
出直して来よう。
まさかとは思うが。
読み聞かせは、毎週じゃないよな。
図書館は、静かでいてほしい。
夜とか。
絶対にやってない時間帯に行こう。
図書館に。
午後9時までニーズがあるかどうかはわからんけど。
会社帰りに寄れるのは。
ちょっとうれしい。




