グラトニー・シンファ
6話目です!
今回のあんまり目立った事ないからタイトル考えるの難しかったw
あの後僕はグラトニーさんに飯を食えと言われたのでテーブルに座ってご飯を待っている因みに作るのはもちろんグラトニーさんだ。
何故ご飯をたべる事になったかと言うと本人曰く「いきなり錬金術じゃあれだからとりあえず飯でも食って親睦を深めよう」という事らしい、確かにグラトニーさんの言う事も一理ある流石に教わる相手がどんな人かぐらいは知りたいしあっちも同じだろう。
「よう、待たせたな、昨日の余り物で悪いが今はこれで我慢してくれ」
「そんな、とんでもないです!錬金術を教えてくれるだけでも有難いのにご飯や寝床まで用意してくれて本当にありがとうございます」
「それこそ本当は城で豪華な部屋やうまい飯を食えるはずが俺のワガママでこんな所になっちまって悪いな」
「それは仕方ないですよ多分これは必要な事なんですよね?」
そう言うとグラトニーさんは嬉しそうに笑って
「あぁそうだ、あそこでやるよりもこっちの方が機材やらなんやら揃っててやりやすいんだ、だけどそう言ってくれるとありがたいぜ正直無理やり連れてきたから嫌われてると思ってヒヤヒヤしたぜ」
別にそんな事では嫌いになったりしないし、そもそもそんなに気にしてすらいない、まぁ多少はびっくりしたがでも本当に気にしてないのでグラトニーさんも気にしないでほしいと伝えると。
「そうか本当にありがてぇ、それと俺に敬語は付けなくていい名前もグラトニーでいいよ俺は堅苦しいのは苦手なんだ」
うーん本当は目上の人には敬語やさん付けはしておきたいんだけど本人がそう言うなら仕方ない。
「分かったよグラトニーさ…グラトニー」
「おうそれでいい、さぁは早いとこ食っちまおう飯が冷めちまう」
「そうだね、じゃ頂きます」
そうして僕達はご飯を食べならがお互いにいろんな話をした、まずは自己紹介をしてその後グラトニーの話を聞いた普段はどんなことをしているのか妻は居るのか色んな事を聞いた、その後今度は僕の話をした地球の話や家族の事そしてステータスやスキルのことを。
因みにグラトニーは妻は居ないらしい。
「確かにそのステータスじゃ戦闘なんて無理だなしかし錬金神か…」
「うん聞いたことある?」
「いや初めて聞くな、と言っても固有スキルは謎な部分も多いし世に出てないスキルも有るだろうちなみにどんな能力なんだ?」
そう言われて僕はパイクさん説明された事をそのままグラトニーに話した、するもグラトニーさんは大きく目を見開きその後大笑いをしだした。
「ハッハッハ!なんだそのぶっ壊れた能力はまさに錬金術の神だな!これは思ったよりも面白くなりそうだ!」
「まぁこっちも程々に頑張るよ」
「おう頑張ってくれや、明日は早いから今日はもう寝といた方がいいぞ」
そう言われ外を見るともう既に太陽は無く代わりに月の光と静寂が外を支配していた。
「あ、もうそんな時間なんだ」
だけど今日1日いろんな事があり過ぎて正直眠くないんだよな。
そうとは知らずグラトニーは僕を二階にある空き部屋に案内してくれた。
「ここがお前の部屋だ」
そう言われて案内されたのはベッド、机、本棚
しかない簡素な部屋だった。
まぁ泊めてもらってそんな贅沢は言えないし
むしろ本がある事に俺は感動だ、これである程度暇は潰せるだろう、あとはこの世界の文字が読めるか不安だがそれは異世界補正でなんとかなって欲しい。
「じゃ俺は下で飲んでるからなんかあったら言えよ、じゃおやすみ」
と言ってグラトニーは言ってしまった、まぁまだ寝る気は無いんだがな、とりあえずどんな本があるか見てみよう。
そう思って本棚を見てみるとそこには3冊の本があった、それぞれ錬金術に関する本で
『初級、中級、上級』と書いてあった。
「どうやら文字が読めないって事は無さそうだなでは早速」
僕はそう言って最初に錬金術初級と書かれた本を手に取った。
「うわ意外と重いなしかも厚いし辞書かよ」
そんな辞書みたいな本が後2つも有るのかと思いながら僕は本を読み始めた。
そして気づいたら僕は全ての本を読み切ってしまうほど夢中になっていた外に陽の光が出てる事も気付かず…
「やべぇ…寝過ごした…」
信という人間は1度集中すると今やってる事が終わるか、その集中が途切れる程の事が起きない限り周りを一切気にしないのだ。
今回は前者の方で錬金術の本は全て読み終わったのだがそれと引き換えに睡眠時間がなくなってしまった。
「グラトニーから今日は早いとか言ってたのに一睡も出来てねぇ…」
すると廊下から足音が聞こえたまぁこの家には
グラトニーと信しかいないのでこちらへ近づく相手はグラトニーな訳で…
「おーい起きろーあさだ…なんだもう起きてたのか」
とグラトニーは言ったがその目線が本へと映ると今度はさっきとは違う表情で
「信…お前それ全部読んだのか?」
「えーと、うん」
「つまりお前寝てないな?」
「…はい」
そう言うとグラトニーは握りこぶしを作りこちらへ近づいてきた。
それに僕は危機感を覚えたが僕の後ろは既に壁でこれ以上逃げることが出来ない…そしてとうとう僕の目の前にグラトニーが来てしまった。
「信、まぁ薄々こうなることは予想してたしお前の部屋にそれを置いちまった俺も悪いけどな」
そう言ってグラトニーは俺の頭を撫でた。
よかった、どうやら俺の恐れていたことが起きることは無かったようだ。
「けど…」
ん?
「師匠たる俺の言うことを聞けなかったのは問題だな」
んん?
「まぁこれはその罰だ」
そう笑顔で言ってグラトニーは俺の頭上に拳を振り下ろした。
俺はその後のことは覚えてない、ただグラトニーの言うことは聞いておこう…そう思った。
ゲンコツ…痛そうだなぁ