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夢を見た/夢見た
僕は石段を駆け上がって
大きな山門の前に君と君の友人を見つけた
制服姿だ、修学旅行中かな
駆け寄って
何も言わずに抱きしめて
すぐに放して山門を抜ける
遠ざかる後ろで君の友人が囃し立てていた
僕が階段を上がると
時間を経た滑らかな廊下
低い天井、古民家の薄暗さ
部屋が四畳半、六畳、八畳
君は大きな荷物を持って部屋に立っている
窓の外には新緑が見えた
さよさよと風にそよぐ
君は僕に笑いかけてくれた
そんな夢を見た
まだ薄暗い朝
黄ばんだ天井を見上げながら
記憶にある光景を何度も何度も反復した
忘れないように
夢の欠片をかき集めて
取り残さないように
なくさないように
夢を形作って
幸せを