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就寝前
外は晴れている、はず
虫の声を遮るようにヘッドフォンを
かぶって
にこにこしながら
仏頂面で寝転ぶ
コードの先には何があるのか
なんて考えもせず
漠然として耳も傾けない
今はただここにいるだけの体
どことも知れない風景を漂う意識
大学のこと
講義のこと
バイトのこと
来年のこと
年末のこと
将来のこと
考えても五里霧中
未来のこと
考えれば足は浮つくばかり
堅実にって誰が出来るんだろう
あの人のこと、恋情
あの人のこと、友情
あの人のこと、劣情
思い出しては箱にしまう
ひとつひとつ、丁寧に
もう寝よう
ヘッドフォンをはずした
パソコンを閉じた
気がついた
この狭い部屋にいて、今
虫の音を聞いているんだ
空がどこに繋がっているかなんて
考えたことはあるけれど
とても遠い宇宙
浮かぶ星
虫の音に浸る地球
体と意識はここにある
と思いきや、
やはりどこか遠く
離れ離れで
漂っている
