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学生寮

となりの壁から音がする

ギターの弦を弾く音

三畳間の小さな世界で夢を描いて

どんな夢を描いて?

彼は弦を弾くのだろうか


ちっぽけな人が道を歩いている

屋上から見下ろす、今は何時だろう、太陽は向こう側

あの人は気づいていない、私がいることに

私もきっと気づいていない

なにかに


外から見るとまるで牢獄

一番上の右から二番目だったり

一番下の左から五番目だったり

私の部屋があそこにあるなんて少し不思議

電気をつければここから見えるのだろう、どんな風に?


屋上に寝転ぶと聞こえるのは

悲鳴

向こうの遊園地から聞こえる

楽しそうな悲鳴

星は見えない


部屋に寝転ぶと聞こえるのは

ギター、歌い声、笑い声

がたがた、ごとごと、ずどんずどん

自販機がかなりうるさい

天井は狭い


毎日眠る

夢を見る

たまに出てくる

故郷の町並み

懐かしい人々


こんな所にいて

帰ることもできなくて

なんでもないような日々を踏みしめて

なにも見えない将来へがむしゃらに走って

期待の二乗が不安になるんです


ここに持ってきたものは

後悔、恥辱、罪悪

なけなしの誇り

それ以外は、本当に置いてきちゃったなあ

まだ残っているかなあ


たまに吹くよ

故郷の風

やっぱり遠いなあ

イン、ザ、東京

三畳の天井

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