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闇と光  作者: 桜咲 雫紅
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第四話 城内案内

克弥が光に入ってから一ヵ月後、正式に軍の隊長を務めることが決まった。


七階 会議室


「てな訳で、克弥。お前に第五軍隊隊長を任命する」


緊張感の欠片もない声で任命書の内容を読んだ優香。克弥は苦笑いしつつ任命書を受け取る。


「じゃあちゃんと自己紹介しましょうか。私は優香。火の後継者で光の最高指揮官。相棒の火龍は紅輝こうき狼のほうは紅蓮。よろしく」


「俺は零。優香の兄で第一部隊隊長だ。パートナーの火龍はれん狼はしん。よろしくね、克弥君」

克弥に手を差し出し握手しながら名乗る零。


「私は凪。工作員の隊長で水の後継者です。パートナーの水龍が満潤みう、川獺が一架いちか。どうぞよろしく」


竜也の後ろに隠れ無愛想に名乗る凪。


「私は美麗といいます。治療部隊隊長で雷の後継者です~。そしてこちら(雷龍)が翡翠こっちが(猫)りょくっていいます。どうぞよしなに~」


例のごとくお茶を飲みつつ名乗る美麗。


「俺は竜也。第二部隊隊長で水の後継者護衛役。パートナーの水龍が水蓮すいれんと川獺の氷華ひょうか。よろしく」


凪の頭をポンポン叩きつつそっぽ向き嫌々名乗る竜也。


「私は燈架とうか。弓兵隊と魔法使い部隊の隊長をやってます。パートナーは風龍と白虎、名は琥珀とせつ。以後よろしく」


丁寧にお辞儀して名乗る燈架。


「俺は優也。第三部隊隊長で雷の後継者護衛役です・・・パートナーの雷龍が緑夏りょくか、猫が菫青きんせいっていいます。よろしく」


「で私は魅希っていうの♪第四部隊隊長で光の後継者で~す。パートナーの銀龍は愛美あいみっていうんだ~よろしくね。魅希の王子様♪」


克弥の腕に抱きついて自己紹介する魅希。


「魅希・・・・男と見ればすぐに抱きつくのやめなよ」


睨みながら冷たく言い放つ優香。だが魅希は優香を完璧に無視して


「克弥~魅希とデートしない?城内案内してあげるよ♪」


「えっと・・・俺魅希サンみたいな人苦手なんで」


さりげなく魅希から離れる。そして優香の腕を掴み


「俺こいつを借りてきます。昔の話とかしたいし」


そのまま強引に廊下に引っ張り出す。


「ちょっ・・・なに勝手に決めて」


「いいから付き合えよ。」


なにが楽しいのかニコニコしながら歩いてる。ため息ついて


「わかったよ。ったく」


昔は無愛想だったあの男の子がこんなに明るく・・・いやチャラくなるなんて、人間変わるもんだなぁ。そんなことを考えてたら


「・・・・・・・・っておい。聞いてんのか?優香?優香!」


「・・・ぇ?あぁごめんなんか言った?」


呼ばれてようやく思考を打ち切り、顔をあげた。


「なんか言った・じゃねぇ!最初どこを案内してくれるんだ?」


「じゃあまずは光城の中を案内するろよ」


そして今いる最上階の端の部屋から紹介していく。


「まずここは後継者控え室。入ってみる?」


「そうだな。一通り見たいし」


扉を開けるといろんなモノが散乱している。一応竜也と優也が片付けてるが、散らかす人(主に魅希)が片付けないのでどうしようもないのだ。


「次いこっか」


「あぁ」


後継者控え室の隣は第一部隊隊長室。零の仕事室だ。


「失礼します」


一声掛けてから扉を開け中に入る。中はきちんと片付いていて書類も残り数枚だった。最初は五十枚以上あったのにだ。ちなみに今は午後の二時。


「お前の兄さんすげえな」


「でしょ」






零の仕事室の隣は第二部隊隊長室。竜也の仕事室だ。


「失礼します」


中に入ると書類はすでになく、今日は緊急招集でもない限り、竜也はここに戻ってこなくてよさそうだ。


「お前の周りって真面目なのばっか?」


「いや・・・そうでもないけど・・・・」






竜也の隣は第三部隊隊長室。優也の仕事部屋だ。


「次はここか、失礼するよ」


中は片付いているが、書類は半分くらいしか終わってない。しかも当の本人は不在だった。まだ会議室にいるのだろうか。すると誰かが走ってくる音と共に


「マズい・・まだ仕事終わってないのに・・・・あっ。優香と克弥君。何してんの?」


「勝手に入ってごめんね、優也。克弥に城内案内しようと思って」


「まっそういうこと。こいつ怒んないでやってね」


「そうだったんだ。俺は全然気にしてないから」


優香の頭を撫で微笑む優也。


「ありがとう優也。お邪魔しました」






次の部屋は第四部隊隊長室。魅希の仕事部屋だ。


「ホントに入るの?」


めちゃくちゃ嫌そうな優香。一回入ったことがあるのだ・・・この部屋に。いやこのある意味とてもおそろしい部屋に。


「全部見たいんだよ。それにそんなにヤバイの?この部屋」


「入ってみなよ・・・・私は絶対ヤダ」


言われるがまま入ってみると・・・・・・・・・・絶句。そこは、仕事部屋というより魅希の私室と化していた。派手なレモンイエローのカーテンに赤いクッションが置いてある薄いピンクのソファー、同じくピンクの仕事机には崩れそうなほどの書類の山。床には置ききれなかった分が置いてある。多分一週間分ぐらいは溜まってるだろう。そしてドピンクの等身大の鏡。その鏡の前にある大きな箱。おおかた化粧品類が入っているのだろう。いったい何種類入れれば、あんなに大きい箱に入れるはめになるのか、謎だ。当の魅希はいない。魅希の事だから町で男共と遊んでいるのだろう。


「ここって本当に仕事部屋か?嘘だろ・・・・・」


「次行こうよ・・頭が痛い」


「それが賢明みたいだね」






魅希の隣は資料室。まあ図書室みたいなものだ。中に入ると天井(一階半ぐらいの高さ)に届きそうなぐらいの本棚と、隙間なく置かれている本。


「すげぇ・・・これって今までの戦いとかも全部記録されてんのか?」


「そうだよ。その戦いの指揮官とか相手の指揮官とか人数、その他もすべて記録されてるよ」


戦が記録されてる資料を見ながら問うてくる克弥に頷く。


「俺の名前載ってんじゃん。・・・・てか優香の名前多いな~しかもお前がでる戦いは負けなし。優香って凄いんだ」


「私が凄いんじゃないよ。みんなが凄いんだよ。私の名前が載っているのは全部竜也達と一緒に戦ったのだけ」


「ふーん」





次は会議室だが、さっき入ったのでスルー。


さて、いま紹介した各部屋の真ん中にある部屋が最高指揮官室。すなわち優香の仕事部屋だ。


「じゃあ中入るか。しつれ「だめ!」


克弥が扉を開けようとしたのを阻止して、扉の前に立ち塞がる。


「なんでだよ。いいじゃんか~」


「だめ。ものすごく汚いし仕事終わってないし」


だが男の筋力に勝てるわけもなく扉が開けられた。中は剣の本や魔法書、体術の本が散らかっていた。他の人より枚数が多い書類は山積みになっている。明らかに手をつけた様子はない。


「うわぁ・・・・」


さすがに言葉をなくす克弥に


「だからだめって言ったのに・・」


そうボヤく。


「次は六階ね」


階段をおりてすぐ隣の部屋は工作員隊隊長室。凪の仕事部屋だ。


「お邪魔~」


中は余計なものが一切ない殺風景な部屋だった。書類はあと数十分で終わりそうだ。だが報告書は山積み状態。本人

は不在だった。どうせ竜也と散歩してるのだろう。


「この部屋殺風景だねぇ」


「まあ凪だからね、次いこっか」





凪の隣の部屋は弓兵隊兼魔法使い部隊隊長室。燈架の仕事部屋だ。


「失礼します」


「優香ちゃんと・・・克弥君。どうしたの?」


「ちょっと城内案内中なんだ」


「そっか。散らかってるけど気にしないでね」


中は武具が散乱していて足の踏み場もないぐらいだ。だが書類は風の魔法を使って片付けている。魔法をそんなことに使っていいのか・・・


「へぇ~風の魔法をこんな風に使ってるんだ。すげぇ」


「真似しないほうがいいよ」


「なんでだよ。ものすごく便利そうじゃんか」


「慣れてないと書類がズタズタになるよ」


実践したときのことを思い出し顔をしかめる。あのあと緋寒に一時間ほど説教を食らったのだ。


「マジで・・・?」




燈架の隣は治癒部隊隊長室。美麗の仕事部屋だ。


「こんにちわ」


「優香ちゃんとチャラ男君か。何か用かい?」


「ちょっとお邪魔するよ」


「いいよ~」


中は畳張りになっていて美麗は座布団の上でお茶を飲んでいた。書類は山になっている。手をつけた様子はまったくない。ためしに聞いてみる。


「美麗ちゃん。仕事はしないの?」


「シゴト?なにそれ美味しいのかい」


「・・・・・・・・・・・・いぇ・・・・・なんでもないです」





隣は仮眠室。泊りがけで仕事をするときや昼寝などに使ってる。普段は休憩場所。


その隣は当主控え室。勝手に入ったら殺されかねないので入れません。ご了承下さい。





「次は五階ね」


五階は主にいろいろな武器を売ってる。あと壊れた武具も直してくれるのだ。ここは一般人(みんな魔法は使える)も入れる。


「結構品揃えいいじゃん」


「当たり前じゃん。ここが光一武具が集まってるとこなんだから」


「じゃあ今度なんか買おうかな」


「そうしな。ここの武具は扱いやすいからお勧めだよ」





「次は四階いこっか」


四階は主に魔法書を売っている。高度な魔法から誰でも使える簡単な魔法書まで何でも売っていて、毎日にぎわってる。魔法には三種類あり、攻撃魔法と防御魔法、最後に治癒魔法がある。


一番難しいのが治癒魔法。これは魔力をかなり使うし、魔法行使者の技術も必要になる。


攻撃魔法、これはある程度練習すれば高度な魔法じゃない限り誰でも使える。


防御魔法は、集中力と魔力があればある程度の攻撃魔法を防げる。しかし、自分より魔力の容量が大きい人の攻撃魔法は防げない。


それから魔法は呪文ルーンの詠唱が必要では、とお思いでしょう?実は呪文ルーンは必要ないんです。最初は必要ですけど慣れてくれば呪文ルーンなしで魔法行使できます。まぁ呪文唱えたほうが強力ですけど。


後は精神力と魔力の容量次第。精神力と魔力の容量が大きければより強力な魔法が使えるということです。


「へぇ~こんな高度な魔法書とかあるんだ。あっ!これ欲しかったやつだ」


子供のように大はしゃぎする克弥。優香は呆れた様に


「そんなにはしゃがなくても」


克弥は聞いてなくて魔法書をめくって最初の呪文を省略して


「えっと。炎よ我が元に。すべてを消し去る業火をここへ~」


「ちょっと待て!」


克弥が唱えてる呪文の正体が即座にわかった。慌てて止めようとする。が、もう呪文は完成しかけてる


「っくそ。間にあえ」


急いで結界を張る。これでも一通りの魔法は叩き込まれているのだ。止められる・・・・はずだ


劫火灰塵ごうかかいじん


瞬間炎が部屋中に降り注いだ。この上位魔法は触れば最後死ぬほかない地獄の業火。だがすぐに優香が張った結界にぶつかり消えていく


「あっぶね~。ギリギリだったな」


「悪い悪い。あはは」


「あははじゃないよ。ったく」





「三階は食堂。兵士はここでご飯を食える。二階は病室。一般人も入院可。当然だけど・・一階は治療室。さて、これで城内案内終了だね」


「ありがとな。次は俺が住むとこを案内してくれよ」


「わかったわかった。どうせ近くにあるし」


「そうなのか?」


優香はあくびをして頷く


「んじゃぁ行くか」

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