表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
相坂フットボールラブ  作者: 佐和田


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

ロレッタと一夜


-自宅-

「おかえり、シャワー入んな」

「ありがと、今日の夕飯は?」

「今日ね、クレアさんからおしえてもらったこれ、シェパーズパイ、とっても美味しいから、さっさと体洗ってきなさい」

「はーい」


シャワーに入り、そのパイを食べた、正直イギリス料理に期待してなかったけど、クレアさんやフルードさんから聞いた料理はどれも美味いんだよなー。ロレッタがつくるお陰かな。


「ごちそうさま」

「はい、じゃあ後片付けよろしくー」

「うぃ」


その後、2人でゆっくりサブスクを見た、久しぶりに聞く日本語は、なんだか懐かしさを覚える。


「蓮、うちらがここにきてもう1ヶ月だよ」

「そんなたったのか、そろそろ開幕するしな」

「えぇ、全てが順調ね」

「あとは、信じるしかないからな」


………


「蓮、純花とは、まだ連絡とってる?」

「あぁ、忙しくてなかなか見れないけど、ほぼ毎日くるよ」

「そう、あの子も小さいころから蓮にくっついてたもんね」

「あぁそうだったかな?」

「覚えてないの?小学校のとき、遠足で蓮と純花が別の班になって、純花ずっと泣いてたんだよ」

「あぁ!あったなそういえば」

「それでうち純花と班交換してあげたんだよ、そしたら純花すっごい笑顔になっちゃって」

「だからロレッタ、遠足行きたくないって言ってたのか」

「えっ!うちそんなこと言ってたの…?」

「あぁ覚えてるよ、3人一緒じゃないなら行きたくないって、先生に泣きながら言ってたな!」

「嘘、恥ずかし…」


その後も、中学や高校と、懐かしい話をしていたら、いつのまにか日付が変わろうとしていた。


「こんな時間か、そろそろ寝室戻るよ」

「まって!」


ロレッタに引き留められたのは、これが初めてだった。


「明日はオフだし、夜更かししちゃおうよ、久しぶりにゲームとか、アニメとか!」

「悪い、今日は移動と交渉で疲れちゃった、また今度やろう」

「蓮…」

「じゃ、おやすみ」

「うん、おやすみ…」


そう言って部屋に戻った。そしてベッドの上でスマホを開くと、とんでもない量の通知が来ていた。


「純花…」


中身は愛の言葉や嫉妬にあふれた言葉などで溢れていた、こいつの独占欲がどれほどすごいのかは、もうとっくに知っている。


「純花、そんなに連絡されてもいちいち返信できないぞ」


すぐに既読がつき、返信がくる。こっちは0時過ぎだから日本は9時過ぎぐらいだろうか。


「ごめんね、でも毎日の連絡は蓮くんがやるっていったでしょ、約束やぶったら許さないよ」

「ごめん、ちょっとテレビ見てた」

「どうせロレッタちゃんと一緒でしょ?仲がいいね」

「ありがとう」

「褒めてないわ!!」

「ごめん」

「そんなことより本題だけどさ、私、本社移動が決まったの」

「本当か!おめでとう!」

「これでまた会えるね」

「そうだな」

「それでさ、蓮くんにお願いがあって…」

「なんだ?」


"コンコン"


「蓮、ちょっといい」

「ロレッタ!」


俺は急いでスマホの電源を消した。


「あら、お邪魔だった」

「いやいや、それよりどしたの?」

「要はないの、ただ蓮と話したいだけ」


そう言うと、蓮が寝ているベッドの隣りに座った。


「どーせ純花でしょ、あの子、まだ未練もってるの?」

「だらだら」

「それは厄介ね、でも、純花らしいわ」


そう言うと突然、俺の両腕を掴んだ。


「ねぇ、うちが高校の時告白してから、うちら付き合ってるんだよね?」

「…はい」

「はぁ…それ浮気だから、純花とは友人までって言ったよね?まだ他の女に目移りしてるの?」

「違うんだ、純花を放置したらいつ爆発するかわからないだろ?だから連絡しあってるって、前から言ってるじゃないか」

「うちはあんな提案反対した、でも蓮は優柔不断だから承認した、あのとき、ちょっと嫌いになったもん」

「ごめん…」

「もう連絡しなくていいんじゃない?うちらはもう26、純花もうちらも新しい恋を進めないと」

「でも…」

「あんたって本当そういうとこあるよね、その性格が、いつかうちらの仇にならないことを祈るよ」


そう言うとロレッタは手を離し、ベッドから降りた。


「なんだか冷めちゃった、じゃあおやすみ、チキン野郎」


やってしまった、自分でもこんなこと間違ってるなんてわかってる。でも、暴走した純花のほうが、きっと脅威になるだろうから…そう思いながら、眠りについた。



-翌朝-

ロレッタはいなかった。そしてテーブルにはサンドイッチが置いてあった。


「ロレッタ、優しいよな」


ふとスマホを見ると、ロレッタから連絡が来ていた。それは長い脅迫文だった。


「おはよ、純花のことは忘れられた?あんたにはうちしかいないもんね、よかったね、こんな献身的で情熱的な女性いないんじゃない?うちへの感謝を確認したなら、さっさとそれ食べて、うちの寝室にきて。1日楽しみましょう」


「……まじか」

「まじよ」


その後、夜まで2人で過ごし、リビングで夕食をとった。


「蓮どうしたの?腰なんかおさえて」

「ロレッタのせいだろ…」

「今日は唐揚げよ!テレビでも見て、ゆっくり食べましょう」


そう言うとロレッタはテレビをつけた、キャスターがスポーツニュースを伝えていた。


「プレミアリーグの開幕が近づいてきています!その前にチャンピオンシップやリーグ1、2などの開幕もありますが、そんな中私が注目するのはここ、リバプール!ここは昨日ドイツから獲得した…」


「いつか、ウェイクフィールドがニュースになるといいね」

「あぁ、そのためにやってきたんだ、とにかく勝つこと、予算を増やして、リーグ1昇格だ!開幕はもう近い」


大きな補強はしていない、スタジアムも町も小さいこのウェイクフィールドで、俺たちは新しい人生を始めた。そして来週、運命のリーグ開幕がはじまる、早速ホームでやることだし、是非頑張ってもらいたい。


「よし、明日に向けて、寝るぞ!」

「まて」


とても強い力で、腕を掴まれた、そして笑顔でこう言った。


「うちらの愛は、ここから開幕だよ?」

「え?だってさっきまでずっと…」

「あれ?あれは…プレシーズンよ、ここからが、本番だから」

「か、勘弁してー!」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ