新しい場所
藤堂の嘆きはこれまで経験した中で受けてきたことを思い返していたのだろう。影山は迎えに行くように準備をしているようだった。すると、ドタバタと足音を立てて大き目の段ボールを抱えたリクルートスーツを着た若者がドアの前で立っていた。影山がドアを開けると腰を低くしてペコリと一礼をした。
「有難うございます。」
「迷ったかい?」
「はい。此処までくるのに迷路のようになっているとは思いませんでした。」
影山が迎え入れているのを見て藤堂はそっと空いている席の椅子をすっとずらした。彼は少しだけほっとしたような表情をした。白石は頼りなさそうに見える若者の何処かが化けるというのかさっぱりわからなかった。
「ちょうどよかったんだ。君が迷っているという話を聞いたものだからね。」
「俺は藤堂譲っていうんだ。この中では年齢だけがいっていると思ってくれればいい。厄介者にされかけたりしているからどうにも言えないがな。・・・白石。」
「俺は白石良太といいます。この班においては、捜査一課の観察を重きをおいてやっています。この班には何処かそういうところがある所為か、難しいんです。」
影山がそろえた人達といわれているが、何処までかかわっているのかはわからないのは確かなのだ。白石の見えていない部分でもある。




