【第7話】引き下がれません!
二週間後の、七月下旬。時刻は昼の一二時を回るころ。
いつもの公園で、ルードゥスとアピリアは日課の修行をおこなっていた。
「ではルードゥス君。教えた三つの演舞のおさらいだ」
アピリアは木陰に立ち、ゆらゆらと扇子をあおいだ。
激しく照つく、夏の日差し。
汗を垂らしながらも、ルードゥスは演舞へと意識を集中する。
「まずは一つ目だ。『活劇』の型、始め」
師匠の号令を受け、少年は片手片足を前に伸ばし、構えを取った。
そこから流れるように、拳や蹴りを素早く繰り出していく。
最短最速の直線的な動きを主とする、実に攻撃的な型である。
『活劇』とは、英雄の活躍を描くジャンルを指す。
倒すべき敵や、困難を乗り越えることで物語を進行させていく。
サブジャンルとして、未知の世界への冒険を描く『探求』や、バトルシーンに特化した『闘劇』がある。
中でもここ最近は、特殊な能力を操る人々による、バトルや人間ドラマを描いた『異能』が流行である。
「では二つ目、『恋愛』の型。始め」
号令に合わせ、少年の動きも変化する。
拳を開き、滑らかに両腕を操る。
先ほどとは異なり、円を主とした動き。相手を包み込みむような、柔の型である。
『恋愛』とは、その名の通り人々の恋愛を描くジャンル。
感情の揺れや、人物同士の心が近づいていく過程が物語のメインとなる。
サブジャンルは、コミカルさを中心とした『喜劇』や、不純な関係を描いた『禁断』など。
二次創作を描く『幻覚』というサブジャンルもあり、一部で熱狂的なファンを抱えている。
「三つ目、『推理』の型。始め」
ルードゥスは片手を縦、もう片方を横に構える。
三角を描く足の運び。死角を突く、独特な技の数々。
角の動きを主とした、相手を翻弄する型である。
『推理』とは、不可解な謎や、その解明を描いたジャンル。
殺人事件と、その犯人を追う探偵を描いたものが多い。
サブジャンルには、後味の悪い真相を楽しむ『悲劇』や、理屈や道理を超えた不可思議な事件を描く『奇譚』などがある。
『密室』や『閉村』といった、特定のシチュエーションを指す名称で呼ばれることもある。
ルードゥスが三つの型を終えると、周囲からパチパチと拍手が鳴った。
毎日同じ場所で修行していたため、ギャラリーが集まるようになった。
「見事だ、ルードゥス君。基本三つの型は、しっかり覚えたな」
すると観覧者の一人が、アピリアに向けて挙手した。
「はいはーい、先生。ちょっと質問イイですか?」
若い男性の見物者だった。
「なんで複数のジャンルを修行するんですか? 一個に絞ったほうが効率イイと思うんですけど」
「良い質問だ。ルードゥス君、代わりに答えられるか?」
少年は包拳礼をしたのち、質問した男性へと向き直った。
「物語には、大枠のジャンルの中に、細かく他のジャンルの要素が入っているからです」
「えー? どういうコトですか?」
「例えば『グッドマンと秘密の組織』は、大枠のジャンルとしては巨悪を倒す『活劇』の作品ですが、謎の組織の正体を追う『推理』の要素や、ピンチを救われた姫との『恋愛』要素もあります」
「あ〜! 確かにっ!」
質問者が納得したのを見て、アピリアは満足そうに扇子を揺らした。
「素晴らしい。ところでルードゥス君、キミが描こうとしているジャンルの大枠は決まったか?」
「はい、先生。『活劇』に決めました」
「よろしい。では『活劇』を中心とした、“組み手”の修行に移ろう」
周囲から歓声が上がった。
組み手は、見物者たちに一番人気の修行であった。
アピリアはパチリと扇子を閉じ、ルードゥスの正面へと移動する。
そんなタイミングにである。
「待って下さい!」
若い男の声だった。
見学者たちが道を開けると、深緑色のカンフー服を来た、背の高い少年の姿があった。
「俺はノクス・サルトゥーラ。アピリア先生がここに住んでいると聞き、スヴェンデルから来ました」
ルードゥスより三つほど歳上に見える。
旅して来たからだろう。長い青髪は後ろでラフに結ばれ、服は薄汚れていた。
それでも彼の綺麗な顔立ちや、全体的にシュッとした体格せいか、まったく不潔な感じがしない。
むしろ艶やかな、大人びた雰囲気を醸し出している。
どこか冷たい、寂しげな瞳でアピリアをジッと見つめた。
「スヴェンデルか……そんな遠方まで、私のプライバシーが漏れてるとはな」
スヴェンデルは、山脈を隔てた先にある街。
馬車を使っても、半月以上は掛かる距離である。
「先生の居場所は、此処に来て知りました。俺は弟子にしてくれる作家を探し、たまたまこの町に寄ったんです」
ノクスは背筋を伸ばし、アピリアに向けて包拳礼をした。
「急に来て、無礼なのは承知してます! ですが俺がスターンに来たのも、先生の居場所を知ったのも、ただの偶然とは思えません! どうか俺を……弟子にして下さい!!」
「断る」
即答である。
ノクスは思わずずっこけそうになった。
「キミ。その服は、誰から貰った?」
「……グラウィス先生から」
「なら彼から学びなさい。オドル・グラウィスは優秀な作家だ」
師匠を変えることは、決して珍しいことではない。
しかしカンフー服を貰えるのは、最初に師事した作家からのみ。
カンフー服とは、いわば初めての師匠との絆である。
「三年……! グラウィス先生の元にいましたが、芽が出なかった! 俺には新しい先生が必要なんです!」
彼の表情から、焦燥が見て取れた。
「アピリア先生が弟子を取らない事は承知してました! だから最初は、一目見て満足するつもりだった……なのに!」
鋭い眼差しをルードゥスに向ける。
「こんな初歩レベルの弟子を目にして、おとなしく引き下がれませんよ!」
ひどい言われようだったが、じっさい修行歴三ヶ月のルードゥスには返す言葉がない。
「弟子は一人と決めているのなら、いまこの場で実力を見せてもいい! 組み手でも演舞でも、何だってやります!」
「ノクス君、熱意は素晴らしい。そこに水を差す気はない。だが弟子を取ったのは、ただただ私個人の都合だ。キミがこの邂逅を特別視するように、私もルードゥス君との間には“運命”を感じている」
「“運命”……だって!?」
その刹那──ノクスの脳内に不思議な光景が浮かんだ。
─────
「ヤバいよヤバいよ〜〜〜! 学校に遅れちゃう〜〜〜!!」
ルードゥスは口に朝食のパンを咥えたまま、街中の道を疾走していた。
髪はボサボサ。衣服もヨレており、手に持った鞄は半開き。相当な慌てぶりである。
「秀才キャラで行こうと思ってたのに、ここで寝坊したらドジっ子認定されちゃうよ〜〜〜!!」
彼がちょうど、曲がり角に差し掛かった瞬間だった。
身体に強烈な衝撃を受け、ルードゥスは真後ろに吹っ飛んだ。
宙に舞う体。そして咥えていたパンと、鞄の中身たち。
遅刻確定──そんな言葉が頭をよぎった瞬間、背中にふんわりとした感触があった。
「キミ、怪我はないか?」
ルードゥスが目を開くと、あまりにも美しい黒髪の女性の顔があった。
わずか数センチの距離。
目と目が合い、息を呑む。
少年の身体を受け止めたのは、彼女の腕らしい。
少し遅れて、鞄の中身が落下する音がした。
「急に飛び込んで来たので、驚いて避けられなかった。すまない」
とても穏やかで、心地の良い声だった。
急速に時を刻む、心臓の鼓動。
全身を駆け巡る、ビリビリとした刺激。
未知なる感覚。それはまるで──運命の出会いだった。
─────
ノクスはハッと、我に還る。
「くっ……! 鎮まれっ!」
額を押さえて、甘酸っぱい妄想を追い出そうと頭を振った。
「……」
そんな彼の様子を、アピリアは少し目を細めて見つめる。
「ルードゥス君。彼と組み手をして見なさい」
「えっ!?」
「お互い、実力を見せるチャンスだ」
待たされていた観衆から、ワッと声が上がる。
ようやく組み手が見られるのだ。
「アピリア先生。俺の師匠になることを、考えてくれるってことですか?」
「約束はできないな。私はまだ、何も見せて貰ってない」
「……っ!」
ノクスはポキポキと拳を鳴らしながら、ルードゥスの正面へと移動した。
「だったら見せてやるぜ……!」
扇を広げながら、アピリアは弟子に語りかける。
「さて、ルードゥス君。初めて“組み手”を見る方もいるだろう。皆に説明してあげなさい」
「はい、先生ッ。“組み手”とは、他者と交互にプロットを繋ぎ、一つの物語を描く執筆鍛錬法です」
文脈闘技による一手一手は、物語のプロットを現している。
つまり交互に一手を繰り出せば、やがて一つの物語ができあがるのだ。
アピリアが説明を付け加える。
「相手の提示したプロットに沿った、繋がりのある次のプロットを提示していく。物語を完成させるには、お互いがジャンルの型を理解している必要がある」
かつて『リレー小説』という名称で、古の作家も“組み手”のようなことをしていたと、伝承が残されている。
しかしそれは鍛錬目的ではなく、仲の良い作家同士による、気楽なコラボレーションの意味合いが強かったらしい。
その気楽さ故なのか、完成に至った『リレー小説』は極めて少ないと言われている。
「短くてもいい。完成させることが重要だ。まずはルードゥス君、キミからだ」
ルードゥスとノクスの両者は包拳礼をしたのち、静かに『活劇』の構えを取った。
一手目。
ルードゥスは軽い踏み込みと同時に、拳を放つ。
《ある日、王さまから魔王の討伐を頼まれる勇者》
ノクスは突き出された拳を片手で防ぎ、手刀を返す。
《魔王を討ち取った暁には、姫との結婚を約束するという》
身を屈めて手刀を避けたルードゥスは、間合いを詰めて肘打ち。
《勇者は、魔王の住む城へ向けて旅立つ》
接近に対し、ノクスは素早く蹴り放ってカウンター。
《魔王側から、刺客が放たれる》
ルードゥスは急な蹴りに対応できず、もろに腹への攻撃を受けてしまった。
「うぐぅッッ……!」
腹部を抑えて、地面にうずくまる。
組み手は終了。旅立った勇者も、刺客によって殺害されたことだろう。
「わ、わるいっ! 大丈夫かっ!?」
駆け寄ろうとするノクスを、アピリアはそっと制した。
「ルードゥス君、展開を急ぎすぎだ。“姫との結婚”という提案に、ノーリアクションなのも不味い。まずは“魔王討伐”という目的へのプロットを、しっかり強めたほうがいいだろう」
「はいッ……! 先生ッ!」
ヨロヨロと立ち上がる少年に、周囲から「がんばれー!」といくつもの応援の声が聞こえる。
ノクスは気まずそうにアピリアを見るが、彼女は何食わぬ様子である。
「二手前から続けよう。ノクス君、姫との結婚を約束された下りからだ」
相手が構え直したのを見計らい、ノクスが再び手刀を放つ。
ルードゥスはバックステップでかわし、遠くから蹴りを打った。
《勇者は報酬より、ともに戦う仲間を求めた》
蹴りを防ぎ、ノクスが素早く裏拳を繰り出す。
《王さま曰く、遠方の森に魔女がいると言う。彼女が力になるだろう》
少年は両手で裏拳をガードしつつ、再び蹴りを放った。
《魔女を仲間にするため、勇者は森へ向かう準備を整えることにした》
軸足を刈るように、ノクスは足払いをした。
《魔王から、強力な刺客が放たれる》
ルードゥスはキックの体制のまま脚を払われ、地面に尻もちを着いた。
またしても勇者は、刺客に襲撃された。死んだのだ。
「ルードゥス君、今度は展開が遅い。“仲間を求める”という目的を出したのなら、すぐに“仲間に関する展開”が欲しい。“魔女について尋ねる”か、すぐ“魔女の住む森に到着”でもいい。“準備”だけでは、間延びした印象になる」
するとギャラリーの中から、再び手が上がった。
「間延びって、そんなに良くないことなんですか……?」
幼子を連れた女性だった。
「良い質問だ。私も個人的には悪いことだと思わない。しかし、公募となると話は別だ」
アピリアは一度周囲を見回したのち、言葉を続けた。
「公募の第二次審査では、参加者同士での組み手をおこなう。ここで人数が半分以下に削られる訳だが……」
「展開の早さが、合否を分けるんですね」
そう答えたのは、立ち上がったルードゥスだった。
正解! と言わんばかりに、アピリアは人差し指をシピッと立てた。
「その通り。だがもちろん、早いだけではダメだ。的確にプロットを繋げ、テンポよく完結させる。それが審査合格の条件だ」
少年は頷くと、組み手を続けようと構えを取った。
ところが、である。
「もういい……充分だ」
そう言い、ノクスは構えを解いた。
「ノクス君、いいのか?」
「勘弁して下さいよ……! 俺は弟子の稽古相手に来たんじゃない!」
「私はまだ、キミの“本当の型”を見せて貰っていないぞ」
「……っ!!」
ノクスはギクリッと顔を強張らせる。
そんな彼を、ルードゥスは不思議そうに見つめた。
「本当の型……?」
「ノクス君。キミは先ほど“運命”というワードから、瞬時に何かを想像した。それはきっと、『活劇』とは異なるプロットだろう」
図星らしい。
顔を赤らめ、視線をそらしてしまった。
(どういうこと……? 彼はあんなに『活劇』のプロットを組めているのに)
首を傾げるルードゥスに対し、ノクスは大きく溜息を吐いた。
「分かりました……見せますよ。俺のもう一つの型を」
そう言うと、両掌を正面に向けて柔らかく腰を沈める。
それは──『恋愛』の型だった。
「ルードゥス君も『恋愛』の型を。それで組み手をしてみなさい」
少年もぎこちなく構える。
ルードゥスがこのジャンルに不慣れなのは、一目瞭然である。
「苦手か? なら先手は、俺がもらうぞ」
一手目。
ノクスは素早く間合いを詰めると、右手で円を描いて相手の右腕を絡めとる。
即座。左手で直突きが放たれた。
《見目麗しい女性から、突然身体を密着される》
ルードゥスは体を捻り、ギリギリで突きを避けた。
(どういう状況!??)
相手のプロットに戸惑いながら、何とか反撃を試みる。
二手目。
ルードゥスは間合いを取りながら、中段蹴りを打った。
《見知らぬ相手だったので、慌てて距離を取る》
ノクスは少年の蹴りを避けつつ、再び間合いを詰めた。
三手目。
そのまま相手に向かって、肩からぶつかっていった。
靠。己の重視を預けるように、相手により掛かる技である。
《すると女性はショックを受け、自分の正体に気付いてもらうべく更に大胆なアプローチしていった》
ルードゥスは靠を避けられず、直撃を食らった。
しかし──。
(あれ……?)
攻撃は届いてはおらず、直前で止まっていた。
──寸止めである。
「どうした? そっちの番だぜ?」
ノクスに促され、ルードゥスは慌てて次の手を放った。
四手目。
サイドにステップしつつ、フックを打つ。
《思い出した。彼女は幼い頃に結婚を誓った女の子だ》
嘲笑うかのように、ノクスは「フフッ」と小さく笑った。
わずかに身体を反らし、ギリギリの距離で打撃を避ける。
「おいおい、それはさすがにないだろ」
構えを解いて、相手から数歩距離を取った。
「アプローチの理由に気付いちまったら、ラブコメは終了だ」
「えっ!? じゃあどうすれば……」
「お前は意地でも『相手の意図が分からない』プロットを続けないとダメだ。それに対し、オレは意地でも『意図に気づいてもらう』プロットを撃ちづける」
「それじゃあ、終わらないですよねッ」
「そうだぜ。それがラブコメ。永遠に続く鬼ごっこだ」
パチパチパチと、アピリアが拍手をした。
「ノクス君。『恋愛』の作家なら、キミに紹介できる人がいる」
「いえ……有難いですが、オレはあくまでも『活劇』の作家を目指します」
「何故こだわる?」
「それは……後世に語り継がれる作家になりたいからです!」
観客たちは関心した様子で「おお〜!」と声を上げる。
「アピリア先生を始め、歴代の宮廷作家の多くは『活劇』と『推理』の作家! 名が残っている『恋愛』作家はほとんど居ません!」
「それが、キミの理由か」
「はい! だからオレは……どうしても『活劇』を書きたいんです!」
そういうものなのか、とルードゥスは思った。
そして同時に、非常にもったいないなとも感じた。
(『恋愛』の組み手の方が、楽しそうに見えたんだけどな……)
「ノクス君。後世の意見は、後世が決めることだ。いまを生きる我々が考えても仕方がないぞ」
「……」
「だが、宮廷作家に関しては一理ある。明らかに偏っている」
「やはり、そうなんですね……!」
「しかしそれも、“今のところ”の話でしかない。そうは思わないか?」
釈然としない表情で、ノクスはしばらく俯いた。
やがて顔を上げると、アピリアとルードゥスに丁寧に包拳礼をした。
「オレはもう少し……グラウィス先生の元で学ぼうと思います」
何も言わず、アピリアは頷く。
「……」
ルードゥスは何か言おうとしたが、言葉が出ない。
修行歴の浅い自分が、彼に掛けられる言葉などあるのだろうか……?
「ルードゥス」
逆に、ノクスから声をかけられた。
彼の寂しげな瞳が、日差しの中で静かに輝いている。
「次は、お互い作家として会おうな」
「……はい!」
トンっと、ノクスは少年の肩を小突いた。
「一緒に修行した仲だ。敬語はもうなしにしよう」
「……うん!」
観客たちにも見送られ、ノクスはこの町を去っていった。
修行を中断したアピリアとルードゥスは、そのまま家に戻ることにした。
帰路に着く中、少年はノクスの件を考えていた。
「ルードゥス君」
悶々とする弟子の心中を察したらしい。
アピリアは言葉を続けた。
「書きたいものと、書けるもの。それは必ずしも一致しない。覚えておくといい」
「……もし僕に、『活劇』を書く適正がなかったら?」
「キミの書けるジャンルの先生を見つける。その上で、私もサポートをするまで」
ルードゥスは師匠を見上げる。
彼女の穏やかなその顔に、一切の迷いは感じられない。
「言ったはずだ。私はキミを、一年で作家にする。だから心配する──あっ」
何事? と不思議に思った少年が、師匠の視線を追う。
すると家の扉の前に、シャローナが立っているのが見えた。
「……しまったな。彼女とランチを約束していたんだった」
「えぇぇ……もうとっくに過ぎてますよッ」
「誤魔化すしかないな。ルードゥス君、話を合わせてくれ」
「えぇぇぇ……」