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002|戸惑い

『ユウタ、君が現実だと思っている世界は、実は仮想現実だ。真実を知りたいなら、以下の場所へ来てほしい。』


「誰がこんなことを…?」ユウタは半信半疑でスマホを見つめた。だが、その奇妙な感覚と、最近経験した不可解な出来事が頭をよぎる。ユウタは思い切って、その座標に向かうことに決めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


指定された場所は、近所にある廃工場だった。周囲に人影はなく、不気味な静けさが漂っている。


「まじか…こんな誰もいない場所に呼び出して、どんな用なんだ…」


帰ろうか迷ったが不可解な出来事の解明のため、ユウタは進むことに決めた。入口を探し、廃工場の裏に回ると地下へ続く階段を見つけた。指定場所はちょうどここを指しているので、仕方なく階段を下りた。


すると、そこには重々しい鉄の扉があり、緊張しながらドアを開けた。そこには、コンクリートの壁に囲まれた広い空間が広がっていた。施設の奥に進むと、巨大な操作盤のようなものが目に入った。無数のモニターが並び、複雑なデータが表示されている。

挿絵(By みてみん)


「これは…?」ユウタは震える手で操作盤らしきものに触れた。すると、突然画面に文字が浮かび上がった。


『ようこそ、ユウタ。君はこの仮想世界の一部だ。』


その瞬間、ユウタの脳裏に強烈なイメージが流れ込んだ。この現実世界がただのデータであることを裏付けるような、データが見える。物理現象から生理現象まで全てがプログラミングされた現実だということをしった。


突然、周囲の風景がゆがみ始め、ユウタの意識は別の次元へと引き込まれた。目を開けると、自分の部屋に戻っていた。


部屋の壁に手をかざすと、その一部が透明になり、向こう側の景色が見える。データとして示される世界に壁は役割を果たさなかった。


「これは一体…」ユウタは戸惑いを感じた。今まで感じていた現実世界が実はデータの集合体でしかなかった、そんな確証を得た気がした。0と1が表すその世界では無機質な光景が広がっている。


「信じられない…」ユウタは未だに信じられない。さっきまでは廃工場にいたはずの自分がなぜか自分の部屋にいてましてや目の前の壁がデータの集合体としてみえる。そんな現象は受け入れられなかった。


その時、再びスマホが振動し、同じ謎の人物からメッセージが届いた。


『ユウタ、君の使命はこの仮想現実の秘密を解明し、真実を人々に伝えることだ。リアリティシフトの力を使い、世界を変えろ。』


「リアリティシフト…?」


意味が分からない。使命、世界などユウタには無縁な存在だと思うし、いまでもそう思っている。

「あ…!」電話を再び見て、履歴を確認した。


しかし、そこには履歴が残っていなかった。


「そんな…これじゃ何もわらかないよ…」


ユウタが感じるのは戸惑いしかなかった。

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