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001|異質

今日はいつもと変わらない一日になるはずだった。しかし、ユウタは目覚めると同時に何か違和感を感じた。目覚まし時計がいつもより少し早く鳴った気がする。カーテンの隙間から差し込む朝日が、いつもよりちょっとだけ不自然に見えたのだ。


「まあ、気のせいだよな」と自分に言い聞かせて布団から這い出したが、その「気のせい」が続くのが今日の始まりだった。


学校に着くと、友達のタケがいつも通り元気に声をかけてきた。「ユウタ、おはよう!昨晩のTV見た?」


「ああ、おはよう、タケ。見たけど、司会者の声がいつもより低かった気がするし、色合いも変だったような…」


タケシは笑いながらユウタの肩を叩いた。「ユウタ、お前のテレビが壊れてんじゃねぇの?それか、目が疲れてるとか?」


「そうかもな、でもさ…」と言いかけた時、廊下の向こうでキラリと何かが光った。ユウタは何かと思い、瞬きをしたが、すぐに元に戻った。


教室に入って授業が始まっても違和感は消えなかった。


「確かに見えたんだよな、あの奇妙な光…」とつぶやき、ユウタは先生の板書を見つめた。その文字が一瞬だけ揺らめくのを見た時、隣の席のサクラが振り返って心配そうに聞いてきた。


「ユウタ、大丈夫?顔色悪いよ?」


「うん、大丈夫だと思う。ただ、今日は何か変なんだよな…」


昼休み、ユウタはタケとサクラと一緒に弁当を食べながら、今朝からの違和感について話してみた。


「今朝からずっとおかしいんだ。目の前の風景が揺れたり、音がズレて聞こえたりさ。」


タケシはまた笑いながら、「ユウタ、それは新しい超能力か何かじゃないの?ヒーローになる前兆かもな!」と言ってきた。


「いやいや、俺がヒーローになったら世界が終わるだろ!」とユウタも笑って返したが、心の中では不安が膨らんでいった。


午後の授業中、さらに奇妙なことが起きた。教室全体が一瞬だけ揺らぎ、机の配置が一瞬だけ変わったように見えたのだ。もちろん、他の誰も気づいていないようだった。


放課後、帰り道でタケシが「ユウタ、本当に大丈夫か?病院行った方がいいんじゃないか?」と真剣な顔で聞いてきた。


「うん、まあ考えとくよ」と曖昧に答えたが、自分でも何が起きているのか分からなかった。


学校が終わり、家路についた。家に帰って部屋のドアを開けたとき、突然、スマホが振動し、見慣れない番号からメッセージが届いた。


「ユウタ、君が現実だと思っている世界は、実は仮想現実だ。真実を知りたいなら、以下の場所へ来てほしい。」メッセージには場所の座標が記されていた。


「誰がこんなことを…?」ユウタは半信半疑でスマホを見つめた。だが、その奇妙な感覚と、最近経験した不可解な出来事が頭をよぎる。

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