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不死者が望む戻らない死  作者: 流幻
ミューマ大陸・小人領ゼンペリム編

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閉鎖されているギルドとサンドワームの討伐準備

「魔法陣は解除出来そうです。ギルドへサンドワーム討伐の依頼を出してください!」

 宮殿へ戻ってすぐ、フェーレに告げた。

「幻妖斎さま、それをフェーレ族長が言うのは問題になりますわ」

 カトリーヌが興奮気味の僕をなだめるように穏やかに話す。

「他種族のエリアへの過干渉になります。デリエスへ戻りギルドから正式依頼をする。これが最短だと思います」

 他種族エリアへの依頼は内容の吟味でかなり時間が掛かると言う、確かに変な内容だとギルドも迷惑だ。

「すまないな、種族間の過去の争いで幻妖斎にも心配をかける。小人族は出来る限りの協力はする、これを持って行ってくれ」

 フェーレからデリエスの長老への手紙を渡された。

 受け取ると宮殿を飛び出てデリエスの街へ戻る。


 長老に手紙を渡して、ギルドの位置を聞いたら僕達は全力で走った。

 ギルドは閉鎖されている、退避勧告が出ているのだから仕方が無いのか。

「幻妖斎じゃないか、こんなところで何をしているんだ」

 ギルドの入り口を呆然と見つめていると急に声を掛けられ見ると赤髪の男がいた、シェスだ。

 理由を話すと、「一緒に来い」とだけ言われ歩き出した。

 古い家の前で立ち止まりノックをして中に入って行く、僕とカトリーヌも案内された。

 中にはウェイズとアイゼン、そして他に2人居るがリュートは居ないようだ。

 この2人もリュートと同じく不死者なんだろうな。

 シェスが全員に聞こえる程度の声で状況を説明してくれた。

「サンドワームの討伐に力を貸してくれませんか?足りない人数は首都へ戻り族長に派遣を要請します」

 僕とカトリーヌは頭を下げてお願いする。

 もちろん僕も戦闘に加わるつもりだ。

「これだけ砂漠が広大だとどれ位のパーティが必要になるか、いつ頃集まるかも不安ですわ」

 確かにかなり広い、地中に潜っているため探索しながら討伐になるので危険度も上がる。

 目視できるギリギリの距離に何か見えている気がするが、ウェイズに「蜃気楼だろう」と言われた。

 

「その心配は必要ない私たちだけで討伐できる。よろしいですか?マスター」

 アイゼンは落ち着いてウェイズに許可を貰おうとしているがシェスとアイゼン、あとの2人と僕たちの6人だけで大丈夫か?

「今回は、わしも動こう。メイヴィスとアイリエも動けるな?」

「私たちは問題ありません。サンドワームの討伐程度でマスターが動かれる必要は無いと思います」

 綺麗な緑色の髪の人が話した、見た目では分からないが声だけ聴くと多分女性だろう。

 シェスとアイゼンも同意見のようだ。

「たまには動かんと体が鈍るからの。カトリーヌに頼みたい事があるんじゃ」

「何でしょうか?私に出来る事なら……」

「街の住民の護衛じゃ、砂の中を動く相手じゃから戦闘が始まると街も危険になるかも知れん。頼めるかの?」

 カトリーヌが了解するとウェイズは2人を紹介してくれた。

 茶髪の男性が「メイヴィス・キロイ」で、緑の髪の人は「アイリエ・ベイリン」やっぱり女性だった。

「カトリーヌは街に詳しくないじゃろ、この者達を連れて街の構造を覚えて欲しい。その間に、わしは幻妖斎に詳しい話を聞いておく」

 シェス達4人はカトリーヌを連れて街中へ歩いて行った。


「右手のそれはメリアルメじゃな。大切に使うんじゃぞ。わしに何か言いたい事があるのではないか?」

 顔に出ていたのかな……確かに聞きたい事がいくつかある。

「さっきのお2人も不死者なんですか?それと、この街で何を?」

「不死者じゃ。ここに不死者が居たので送ってやったところにお前たちが来た」

 また1人、不死の呪縛から解放された人が居るんだ。

「賢者が施した魔法陣ですがウェイズ殿は解除できないんですか?」

「出来ぬ。賢者はグリアの民じゃ、わしやシュバイツはグリアの民のした事に干渉できぬ……それが決まりなのじゃ」

「サンドワームの討伐は問題ないんですか?」

「通常時の魔物の退治は問題ない。厄災の時には動けないがの……」

 もう1つ、聞いておきたい大事な事がある。

「5種族の族長から帰還許可を貰いましたが、チェインが解けた感覚が無いのです。どうしてか分かりませんか?」

「うーむ。チェインはシュバイツの神力によるものだからの。シュバイツに聞いてみてくれ」

 やっぱりシュバイツに聞くしかないのか。


「そう言えばサンドワームの討伐では街が危なくなるくらい危険な事なんですか?」

「今回は問題ない、街にわしが結界を張っておく。カトリーヌを街に置くのは、その方が幻妖斎も安心して戦えるじゃろう」

 その方が僕は戦いやすい、戦い慣れていない場所での戦闘ならなおさらだ。

 住民も轟鬼の娘が居るという事で安心するだろうし。

「戦闘は明日の朝から開始するが良いかの?」

 僕は問題ない、少しでも早い方が助かるので了解する。

「明日は水系の魔法は使わないようにした方が良いの、砂漠化が進み過ぎておる」

「武器で戦うつもりですが、サンドワームは水に弱いんじゃないんですか?」

「単体なら良いが数が多いと水に触発されて凶暴化する場合があって危険なのじゃ」

 リミエストが言っていた、クランクって言うやつかな?

 魔法を使うつもりは無いけど、水魔法だけは使わないように注意しよう。


 サンドワームは振動に反応する魔物になる。

 砂の中に潜み、近寄った来た足音などに反応し襲い掛かって来る。

 大きめの魔物で通常の移動速度はあまり速く無い。

 巨大な口から強力な酸弾を吐き出すので注意が必要だ。

 

 シェスとアイゼンの強さは知っている、メイヴィスとアイリエもウェイズに仕えているのなら、かなり強いだろう。

 大量発生していると言っても問題が起こる事は無い……はずだ。

「一応確認ですがメイヴィスさんとアイリエさんって強さは問題ないですか?」

 僕の質問にウェイズは笑いながら答えた。

「レグリアのナンバー4と6じゃからの。少なくともリュートより強いぞ。問題が起こる事は無い」

 ナンバー?確かリュートが言ってたな、彼女は7だったので強さの序列とかか?

 気になって質問をしたら教えてくれた。


 レグリアナンバーズ。

 ウェイズを慕う不死者6名で構成されていて1が空位。

 強さの順で2がシェス、3がアイゼンは不動。

 4から7を他の4人で受け持っている。

 ウェイズの立会いで相手に挑み勝てば番号が変わるが最近は変化が無い。

 1が空位なのは「マスターを差し置いて『1』など名乗れない」との総意なようだ。


「シェスとアイゼンは特別な不死者だから強さが桁違いなんですよね、レグリアのメンバーは強い人ばかりで驚きですよ」

「それもあるがシェスは炎滅剣、アイゼンは流氷剣の使い手じゃからの。かなり特殊な部類じゃ」

 何だろう、聞いた事が無い名前だけどそんなに特殊な剣なのかな?

「神の力が宿っているんじゃよ。シェスの大剣と片手剣、アイゼンのレイピアと短剣は、わしが与えた特別な剣じゃ」

 それって神剣なんじゃ……と思ったが神の力が宿っているだけで魔鉄製という事だ。

 炎滅剣は炎を宿し、その炎に触れた物は燃え上がり死体も残さずに消える。

 初めてグリアに来た時、コウモリの魔物相手にそんな事があったな。

 流氷剣は氷を宿し、刀身の周りに小さな氷が発生、攻撃の度にその氷が対象を切り裂く。

 その氷の強度は高く防御にも使える、汎用性の高い剣という事だ。

 問題点はウェイズから離れると威力が落ちるが、現在は各々の魔力で補完できるようだ。


 僕も神剣の扱いに少し慣れないとな……。

 

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