お誘い
「はぁ、やっと終わったぁー。」
かれこれ30分くらい続いた面接がやっと終わって飛鳥は気が抜けたようだ。
そんな飛鳥を眺めていた弥生は
「なあ、奢ってあげるからお昼ごはん食べに行かない?」
と飛鳥に聞いた。それを聞いた飛鳥は弥生を見定めるように上から下までじろりと見た。そして苦虫を噛み潰したような顔で
「遠慮しときます。そんな仲ではないので。それと、その上から目線やめたほうが良いと思いますよ。あと、あんたがそんな口調で話してるの気持ち悪いです。もとに戻したらどうですか?」
と早口で言った。
飛鳥はイライラが頂点に達していたり、関わりたくない人と話すときは敬語になるのである。
「それ、飛鳥に言われたくないんだけど。昼飯くらい良くない?ただのクラスメイトでもラーメンくらい食いに行くでしょ。」
「ラーメン決定なんですかぁ…」
「奢るんだからこっちが決めていいだろ。」
あ、皆には説明しておこう。この弥生の言葉の裏は「飛鳥とお昼ごはんを食べたいから飛鳥が好きなラーメンを奢ってやる。」という意味である。弥生はいわゆるツンデレである。ご了承願いたい。あ、ちなみに言っておくと飛鳥には鈍感すぎて伝わらない。
「炒飯大盛りと餃子付き、麺増しなら、付き合ってあげてもいいですけど。」
「おい、それ女子が食う量じゃねえぞ。」
「僕のことを女子だと思ったこと無い人に言われてもw説得力ありませんけど?」
飛鳥のこの「w」はバカバカしいという意味の「w」である。
つまり、笑っていない。
「お…俺がいつお前を女子じゃねぇっつったんだ?」
「はぁ。昔僕にもっと男っぽくしろ、とかなんとか言いませんでした?」
「…っ!それは…」
この言葉の意味は、まぁそのうち。
「奢ってくれるんですか?くれないんですか?優柔不断な男は嫌われますよ。」
「はあ?奢ってやるに決まってんだろ。ほらとっとと行くぞ。」
そんなこんなで2人はラーメン屋に向かって歩き出した。




