再会
「架井先輩!!ご卒業おめでとうございます!これ卒業祝いです!」
「私も持ってきました!どうぞ!」
「私も!」「私も!」
何十人もの後輩女子がイケメン男装女子架井飛鳥に卒業祝いを渡そうと飛鳥を取り囲んだ。
「架井君!私も持ってきたんだけど、もらってくれる?」
いや、後輩女子だけではないようだ。同級生の女子も混ざっている。
もう一度言うが飛鳥は男装女子である。
恋愛対象もちゃんと男である。まぁ、女子に恋したことないだけでもしかしたら恋愛対象に女子も入るかもしれないが。そんな飛鳥の必殺技は…
「ごめん、みんな。僕ちょっと急いでてさ、道、あけてくれないかな?ニコッ」
この笑顔に女子たちは放心状態になる為道をあけてくれる。つまり、この隙に逃げ…コホン…帰れるというわけだ。別に飛鳥は女子に囲まれるのが嫌な訳では無い。むしろ大好きだ。だが、帰りはいつも早く帰りたいためこの技を使っているのだ。しかも今日はなおさら。
皆も知っているだろう?今日は大事な面接だ。
飛鳥が面接を受ける会社はいわゆる何でも屋みたいな会社だ。頼まれれば何でも引き受ける。
何故飛鳥がこの会社を受けようと思ったかはまあ、面接で分かるだろう。
そんなこんなで面接会場についた飛鳥は緊張で死にそうだった。けして、顔には出さないけれど。
この会社はバディ制で働くところだ。そのバディは同じ面接で決まるそう。会社側が履歴書や事前に書いてもらっている自己紹介シートなどをみて、バディにしたいと思う2人を同時に面接するという気まずい制度だ。面接会場には扉が向かいに2つあってこちらがわには飛鳥達が向こう側には飛鳥達のバディ候補がいる。どちらかが面接に合格してもどちらかが面接に不合格だった場合2人とも不合格になるというなんとも鬼畜な面接だ。
お、飛鳥の番が来たようだ。
「次、架井さん。どうぞ。」
「はい。」
ガチャ。
扉を開けると広い部屋に小さい机、その向かいに椅子が2つというなんとも奇妙な光景が広がっていた。
すると先に座っていたもう一人の応募者の男が振り返った。
「「え…、」」
(まさか、こいつがバディ候補なんて言わないよな…?)




