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第6話 告白作戦会議

 その日の夜、スマホにメッセージが届く。グループへの招待だ。


「告白作戦会議?」


 ふざけた名前のグループだが、何のグループかはすぐに分かった。俺はグループに参加した。


永井『告白作戦会議にようこそ』


佐原『なんだよ、これ』


永井『作戦会議本部だ』


佐原『なんじゃそりゃ。作戦を考えてくれるのはありがたいけどな』


永井『うむ、この作戦本部の指令を永井二等兵は忠実に遂行せよ』


佐原『なんだよ、その口調は。それに俺は二等兵かよ』


永井『作戦遂行の成果によっては昇進も考える』


佐原『そりゃどうも』


 そこに福原からのメッセージが来た。


福原『ごめんね。どうしても軍事作戦っぽくやりたいって。司令が』


佐原『司令?』


永井『私だ』


佐原『お前が司令かよ。じゃあ福原さんはなんだ?』


福原『副司令』


佐原『俺だけ下っ端か。じゃあ、姫乃は?』


永井『敵だ』


佐原『敵なのかよ』


永井『攻略対象だからな』


佐原『で、何か作戦はあるのか?』


永井『うむ。今回は徹底的にムードを作る作戦だ』


佐原『ムードねえ。福原さんはムードに流されて告白を受け入れたって言ってたな』


福原『そう。だからとにかくムードがいい場所で告白する』


佐原『俺もいろいろそれは試したぞ』


 夜景が綺麗な場所、眺めのいい場所、花火、海岸、川辺、既にいろいろ試している。


福原『だから最高レベルの場所を探すのよ』


佐原『そんなところあるのか?』


福原『うん、あるよ。「恋人の聖地」という場所が』


佐原『どこだよ』


福原『水俣』


佐原『はあ?』


 水俣は俺たちが居る熊本市から90kmほど南だ。車で高速を使えば1時間半。もちろん、俺たちは免許を取れる年齢では無いし車は使えない。


佐原『どうやっていくんだよ』


福原『新幹線よ。30分もかからないから』


佐原『お金は?』


福原『お父さんに株主優待券もらえたから安く行ける』


佐原『そこまでやるのかよ』


永井『ちなみにここまで遠出して告白したことは?』


佐原『……無いな』


永井『よし。であれば可能性がある』


佐原『そうかなあ』


 確かにこれまで告白は近場だけだ。遠出していつもと違う雰囲気の告白なら効果的かもしれない。


佐原『わかったよ。やってみる』


福原『うん! じゃあ、プランは後から送るね』


 今回はこれに賭けてみるか。


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