表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/36

第16話 緊急作戦会議

 その日の放課後、告白作戦会議のグループに永井からメッセージが届く。


永井『緊急作戦会議を行う』


 ということで、俺は姫乃との帰り道で別れた後、いつものファミレスに向かった。

 そこにはいつものように司令の永井巧と副司令の福原里美が居たが今日はもう一人居る。


「なんで内田さんが居るんだ?」


 内田真理がそこに座っていた。


「内田さんには告白作戦会議に加わってもらった」


「よろしく」


 内田が俺に笑顔で言う。


「どういうことだ?」


「今日の状況を見て、作戦遂行に内田さんの協力が不可欠と思ったものでな。協力を要請し、快諾を得た」


 永井が言う。


「はあ? 快諾?」


「うむ。要旨は説明してある」


「佐原君、今日迷惑掛けてたみたいだし、私が役に立つことがあれば協力したい」


 内田さんは真面目な顔で言った。


「そ、それはまあ……ありがたいけど」


 しかし、どういう協力を求めるのか、話が見えないので福原から説明してもらう。


「今日、佐原と真理ちゃんを見て姫乃ちゃんがやきもちやいてたでしょ」


「やきもち?」


「うん。明らかにそうだったから。だから作戦に利用できるって思ったの」


「どういう風に?」


「要は佐原と真理ちゃんに教室で仲良くしてもらって、やきもちをやかせる作戦!」


「今日と一緒じゃないか」


「そう。でも、これを続ければ姫乃ちゃんはきっと佐原君を独り占めしたくなって告白を受け入れると思う」


「そうかねえ。第一、内田さんに迷惑だろ。内田さん、彼氏も居るし」


「え? そうなの?」


「うん、彼氏居るよ。でも他校だし。ちょっと話すぐらいなら大丈夫だよ」


「そっか、良かった。でも、彼氏居ることは内緒にしておいて。じゃないと姫乃ちゃん安心しちゃうから」


「わかった」


「おい、ちょっと待て。告白はしない作戦じゃなかったのか? 結局するのか?」


「いや、告白しない作戦は続行だ。プランBと並行して行う」


 永井が言う。


「プランB?」


「内田さんといちゃいちゃする作戦だ」


「はあ。いちゃいちゃじゃないけどな」


「ふふ、ほんとにいちゃいちゃしちゃう?」


 内田さんが俺を見て言う。


「内田さん、からかわないでよ。俺だって男だからね」


「あれ、佐原、まさか乗り換える気?」


 福原が言った。


「なんでだよ。まったく」


「あ、でも、彼氏が居なかったら私も分からなかったかも」


 内田さんが調子に乗る。


「だから、からかわないでって」


「うむ。そういう感じで教室でも頼むぞ」


「了解です、永井司令」


 内田さんが永井に敬礼をした。はあ、これは教室でも疲れそうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ