二話 大蛇
何日たっただろうか。俺はずーっと暇つぶしをしていた。大体霊にこう言って始まる……いやもはや霊なのかすら怪しいが
(しりとりしようぜ)
(はあ? ……いいけど)
(ツンデレだな)
(違うわ、暇なの。それにそんな子供みたいな……)
(りんご)
(流れるように始めないでよ。ゴリラ)
(ラッパ)
(パンツ)
(つみき)
(キムチ)
(地域)
(基地)
(地球)
(うち)
(力)
(ライチ)
…あれ?これ「ち」しか来てない気が…まあいいや
(地帯)
(生き血)
(力こぶ)
(ブリーチ)
(地形)
(位置)
(痴漢…あ)
(私の勝ちかな)
(くそーッ!)
(悔しがってるところ悪いけど、光が見えた。そろそろ行くわ)
(え?)
(ま、せいぜい1人で頑張りな)
(ちょっとまってくれー!)
数時間経つと、俺も目が見え始めた。目の前には広い空間が広がっていた。
(ここは…洞窟?っていうかあいつ、身体から出られるんだ。それより、初手洞窟はキツすぎないか?)
そう思いながらも洞窟をひたすら歩きまくった。しばらくすると…
「?この壁、動いてるな…って、これ生物!?」
俺は慌てて逃げ出した。理由はもちろん、勝てるわけないからだ!
「!?」
背中から閃光が見えたと思ったら、俺の左腕は吹き飛んでいった。
「うわぁぁ!」
「我も衰えたものだな。まさか急所を外すとは…」
「喋れんのかよ!ってそんなこと言ってる場合じゃねえ!逃げないと!」
「久しぶりの来客だ。逃さん」
「あそこだ!」
「あやつ、どこ行きおった」
(なんとか隠れられたな、ん?何だこれは…金色で……なんてきれいな石──)
【それは神が消滅する際に地上に落とす力の根源です】
(……誰だ?)
タイトル大蛇ですが、実は主人公気づいてません