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悲運の現想主  作者: ゆめり
序章 知得譚編
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第弐拾弐話 温もり

 ギルドにて報酬を手に入れた。量が多かったので、比例して多くの金を手に入れた。ざっと銀貨20枚、1週間で使い切ろうとすれば十分贅沢できる。その金を持って、今、妖日のところに戻った。


「戻ったぞー」

「うん? おぁー! ルミリ! 良いところに来た!」

「え?」

「いやー実は刀研ぎ直してさ、切れ味を試したかったんだけど、ここにあるやつ元から全部切れるから、なんか硬いやつ欲しかったんだよ。悪いんだけど金やるからそれなりの盾かなんか買ってきてくれない?」

「はぁ、お前が行けば良いんじゃないのか」

「それは無理」

「なんでだよ」

「今行ったら多分……人とか建物斬っちゃうかもしれない」

「なんでだよ!?」

「まぁそういうわけだ。お願い! 今日はトレーニングなしで良いからさ!」

「え、マジ? じゃあ行くわ」

「ありがとう〜!」


 うん、なんかチョロいと思われてそうだが、まぁとりあえず買いに行くことにする。

 さて、町の武器屋に行けば盾の一つや二つ売ってるはず。


「いらっしゃいやせー」


 入ると店員が気怠そうに返事をする。見渡すと主に剣が中心で、盾は少なかった。

 先程、財布の中身を確認しておいたがなかなか多かったので良いやつを買うことにした。


「うーん……わからないな、見ただけじゃ。すみません」

「はい?」


どれがどんなものかわからなかったので店員に問う。


「どの盾が一番防御に優れてますか?」

「物理か? 物理攻撃ならそこの盾が一番いいだろうな」

「ありがとうございます。さて、どんな盾だ〜? ……いやたっか!?」


想像を超えて高かった……しかし、こっちには大金がある! 盾が100000ならこっちは150000くらいだと思いやがれ!


「これ、買います」

「おぉそうかい。高いしここらへんで使うにはもったいないしでなかなか売れなかったんだが……ま、ありがとな兄ちゃん!」

「そうだったのか、じゃ、また今度来るよ、おっちゃん!」


一瞬で仲良くなって帰ってきた。ある程度時間が経っているから町で迷うことも無くなったか。


「お? 早かったじゃん」

「これ、めっちゃ重いんだけど……!?」

「まぁこのレベルになると盾も県も重くなるわ。それじゃ早速試し斬りを──」

「躊躇ねぇなお前」

「はっ!!!」


ものすごく美しい太刀筋、素人の俺でもわかる。だが結果は、少し傷がついたが盾の勝利だ。


「うっ、なんだこの盾硬すぎだろ」

「柔いのじゃ練習にならないだろ、逆に」

「そりゃそうだがな、すげぇ硬え。その分練習にはなるが……これ、熟練の戦士とかが使うやつだろ」

「ま、当分は壊れないようだし、俺も変な買い物に行かなくて済むし一石二鳥だ」

「おい、そりゃどういう意味だ?」

「何でもないですー」

「はあ……」


 俺は当分、金と運動の心配がなくなると安堵し、さっさと床に就いた。

 一週間もあるんだ。1日ぐらいぶっ通しで寝てても問題ないだろう。

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