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悲運の現想主  作者: ゆめり
序章 知得譚編
22/25

第拾玖話 測定

「今日から特訓か……いったいどんな鬼畜なのか」

「今日は身体能力を調べる」

「どうやって?」

「ひたすら走るんだ」


その言葉を聞いた瞬間、俺の脳裏に「あの思い出」がフラッシュバックした。持久走である。俺は体力がノミ以下しか無いので運動全般嫌いだが、特に持久走がきらいだった。


「どうした?」

「い…いや、何でもない……」

「そうか、んじゃ走ってこい」





「まさか1分半でリタイアとは……男のくせして呆れるわね……」

「前世運動していなかったとはいえ、今は体が違うからいけると思ったんだが……」

「前世? お前、転生者か?」

「え? まぁ、一応そうなるのか?」

「お前、これ聞いたの私で良かったな」

「?」

「国がこれを知れば殺されるか研究されるかのどちらかよ」

「な……え……マジ?」

「あぁマジだ。だから誰にも話すなよ、いいな?」

「あぁ、わかった……」

(この世界は思ったより複雑で面倒な世界のようだ。まずこの世界の霧がかった部分を少しずつ晴らさなくてはな)

「さて、次は……」


俺はさらに握力、腕力、脚力、持続力、瞬発力、耐久力を調べたが……


「握力8.8キロ、腕力脚力アリ同然、持続時間数秒……あんた本当に人?」

「まじで言ってるのか? もはや前世のほうが強いんだが……」

「この様子だと、もとのプランだと死ぬ可能性が高い。しょうがないからもうちょっと優しいプランにするしかないわね」

「そうしてくれたら助かる……」

「話は変わるが、お前、私の言語を理解できるのね」

「え?」

「さらに、ここにいるってことは王都に寄ったんだろうけど、その言語も使えるということになるわ。いろんな言語を話せるのね」

「そうなるな」

(やばいこれ絶対だめなパターン……)

「良いじゃない、いろんな言語を話せたならこんな身体能力でも学園でやっていくことができるわ」

(あーまさかのそっちー?)

「どうしたの?」

「あー、うん、いろんな言語を話せるのはやばいのかと」

「どんなふうに?」

「別の国のスパイと思われるとか、自国に不敬だとか」

「別にそんなことないわ、そういうのは個人の自由ってなってるから」

「良かった……」

「まぁ明日から特訓、というわけで、今日はあと自由にして……」

「ZZZ……」

「寝るのはやっ! ……まぁ運動したはしたけど、寝るほどじゃなくない? 体力も無いのか……」


こうして1日目、ある程度の計測は終了した。まだ昼前だったので昼寝である。







「ふぁぁ……いやー良く寝た良く寝た。もう夕方か、にしても腹減ったなーって、料理? あいつが作ったのかな。まぁいいか。それじゃ、いただきま──」



あいつが作ったと思われる料理を口に運ぼうとした時、外から何かを切っているような音がした。


「あいつ……」


外では妖日が銅のパイプのようなものを切断していた。


「何、食べたの?」

「いや、まだ……」

「早く食べて、基礎体力少しでも上げないといけないからね」

「わ、わかった!」

(にしてもあいつ何者だよ)

久しぶりに投稿しましたが、結構長いですね文量……

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