第拾捌話 危機は過ぎ去る幸は来ない
俺達は今、宿舎の一室で複数の死体に襲われている。
「やばい! 襲いかかってきた!」
「くっ、部屋が狭いな」
「俺が食い止めるから、あなたは後ろの窓から!」
「正気か!? その実力でそんなことしたら死ぬぞ!」
「死ぬつもりはない、早く!」
「……はぁ、呆れた。もういい。どいて」
「え?」
そういうと彼女は腰につけた刀を抜き、構えた。
(あの数相手に刀一本で? 無理に決まっている!)
「やめろ、今すぐ! でなければあなたのほうが死んでしまう!」
「黙ってみてろ。あんたみたいなのが身代わりにならなくても全く問題ないってことを」
彼女は深呼吸をし、刀を構えながら、「魂合、斬流凍!」と言った。刹那、眼の前の死体達は一瞬にして吹き飛んだ。
「守られるのは私ではなくあんただったようね」
「今はな。いつかその実力越して、俺が守る側になってやる!」
「……フッ、気に入った! あんたの仲間になる! その代わり、死ぬまで実力越さなかったら地獄で粉微塵にするからな」
「安心しろ、ハナから地獄に行くつもりはねぇからな!」
「てなわけで、よろしくな!」
「おう!」
こうしてなぜか気に入られ謎に名も知らない女を仲間に入れた。
「そういえば、お前の名前聞いてなかったな」
「私の名前? あんたの名前も聞いてないけど、まず自分から名乗るのが礼儀じゃない?」
「じゃあ俺が名乗ったら教えろよ、俺の名前はルミリシファル・アゼラーテス。好きに呼んでいいよ」
「じゃあルミリって呼ぶな。私は氷遶妖日。妖日でいい」
「わかった。じゃあ寮に帰るかー」
その時、妖日が俺の肩を掴み、こういった
「ちょっと待て、お前はこれから猛特訓だ」
「え~~~!? それマジ?」
「大マジ。それじゃ入学式までやるぞ」
「そんなぁ~……」
「私の部屋に勝手に入った罰だ」
「それはしょうがない……」
「言い訳しない!」
今日は特に無いですねー、ルミリが可哀想なくらい
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適応済み