第拾肆話 浄化
「なるほど。とりあえず中に取り残された人たちを助けに行こうか」
「わかりました」
この状況を一人理解できた学園長はすぐに動いてくれた。あの空間が何だったのか、あそこにいた時になにが起きたのか、そもそもあのナイフが何だったのかすらわからず、たくさんの捜索隊の人たちと救助に向かった。そこについたとき、学園長は少し驚いていた。
「これは……」
「何か知ってるんですか?」
「恐らく、これは浄化と思われます。それも高位の術……」
「浄化……高位ということは種類があるのですか?」
「はい。この場合、時間による浄化です」
「時間?」
「これはその場所の時間を巻き戻し、その時期にあってはならないものを全て壊滅させる方法です」
「すごいやり方だな……」
「これはとても難しいので、地中に埋まっていた浄化石が引き起こしたものだと思われます」
「そんな石もあるのか、覚えることが多そうだな。」
「かたまって行動していては日が暮れてしまいます。今支援を要請したので、その方たちに森林ゾーンを任せます。私達は被害規模の大きいゴーストタウンゾーンを探索します。私は爆心地のある東部の方に行くので、あなたはは西部、他の方たちは南北部をよろしくお願いします」
「はい!」
俺は西部の探索を命令された。西部に着いた時、生きている人を探すために下を見た。言葉は出なかった。地面は赤色で、浄化されたから変色した、そう思っていた。だが、現実は違った。血がついていたから赤色になったのだ。そして、今ここでの問題点は、この空間の地面を覆うほどの血、それだけの死者負傷者がいるということ。
「早くしないとな……まだ生きている人が死ぬかもしれない」
一人だけで救える命は全て救った。でも、瓦礫の下敷きになっている人のことは救えなかった。
「あとは任せるか……」
俺は入ってきたところに戻った。既に学園長は救出作業を終えていた。
「一人だったというのに早かったですね」
「何で一人なんですか。まだ生きている人が死んでしまったらどうするんですか」
「そこは大丈夫、あそこは死者が出るまで一週間かかりますから」
「えぇ、俺の熱意を返してくれませんか?」
「あっははは、いや~すまないね」
「やな学園長だな。そういえば、試験はどうなるんですか?」
「あぁ、試験は受験者約5000人のうち、あの爆発で死ななかった者213名、及び筆記試験で満点を取り、この試験を受けなかった者19名、計232名を合格とします」
「213人しかあそこで生きれなかったのか」
「では、解散」
その声と同時に、俺は宿舎に戻された。
「帰りもワープ、しかもご丁寧にベッドの上。なんでそんな正確にできるんだよ」
俺は学園長に対して少しひきつつも、疲労のためすぐに寝た。
お久しぶりです。黒歴史を投稿し始め約半年? がけいかしましたが、最早投稿しなければよかったと思ってます。皆さんこうならないように気をつけてください。投稿は続けますが。