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五本足のジュリアンナ  作者: Roman
4/7

4話


晴れた、暖かい日。家に着き、いくつもの買い物袋を置いてほっと息をつく母。そして、楽しそうにはしゃいで家の中を走り回る、ジュリアンナの姿。

「やったあ!ドレスだ!本当にドレスがうちに来た!!」

この日ジュリアンナは、母と一緒に隣の町にある、行きつけの小さな洋服屋へ行き、パーティーに着て行くドレスやアクセサリーの買い物をして来たのです。

「ジュリアンナ、少し静かにしなさい」

ジュリアンナは、待ちきれず買い物袋を開け、今日買ったドレスを全て床に並べました。ピンクやオレンジや、イエローなどのパステルカラーが並びます。

「私ね、今度のパーティー、すごく楽しみなの!この、ピンクので行こうかな?とっても可愛い!」

可愛いドレスを目の前に、幸せいっぱいでした。

「ジュリアンナ。ちゃんと、帰って来たら手を洗わなくちゃ……」

ジュリアンナは洗面台へと走り、手を洗い終えると、またすぐにやって来ました。無邪気なジュリアンナに、母はとても胸が暖かくなりました。

ジュリアンナは、足が五本あるため、スカートしか履けません。また、手は、指の成長が不完全で、着替えが難しい服は着れなく、服は決まって、ワンピースでした。しかし、ワンピースはジュリアンナにとって、他の何より好きな服でした。ドレスと一緒に、花やリボンのついたカチューシャもあります。やはり可愛いものが大好きな、普通の女の子です。色々なドレスに着替えては、全身鏡の前で自分の姿を見ました。窓の外からも、鳥たちの楽しそうな歌声が、聞こえていました。


その日の夕食の事。母はジュリアンナに、義手の話をしました。名の通り、作り物の手の事です。この話は何度かジュリアンナにした事はあったのですが、ジュリアンナは、初めて、義手に興味を持ちました。なぜなら、見せかけだけでなく、本当に指を動かせる義手の存在を聞いたからです。ジュリアンナは、未熟な指でも使える、特殊な形の専用のスプーンを使用しているのですが、そのスプーンを使う様子も、もうすっかり様になっていました。

「早く、パーティーに行きたいね。ね?ママ」

ジュリアンナの楽しみにしているパーティーは、もう、すぐ近くなのです。



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