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五本足のジュリアンナ  作者: Roman
2/7

2話





それから数日経ったある日。ジュリアンナが、家の近くの公園に、花摘みに行った時のことでした。


「ジュリアンナじゃないか。なにしてるんだよ」

家の隣の男の子、そして、その友達の同じくらいの年頃の男の子や女の子と、会ってしまいました。

「……部屋にかざる花を摘みに来たのよ」

「最近お前の家から、下手っぴなピアノの音が聞こえるってうわさになってるんだぜ」

隣の家の少年も、その周りの子たちも、決してジュリアンナの友達ではありませんでした。

「あなたのお母さんも、ずいぶんピアノが下手になったもんだね」

「……ちがう」

少年たちは、次々と、胸に突き刺さる言葉を投げてきます。

「まさか、ジュリアンナ、君がピアノ弾いてるんじゃないだろうな」

「……」

ジュリアンナは、言葉が出なくなりました。

「何言ってるのよ、指のないジュリアンナが、弾けるわけないじゃない」

「おまけに五本足なんだぜ」

「五本足のジュリアンナが、ピアノなんて弾けるわけないもんな」

「……」

「ジュリアンナのピアノの音を聞いたら、足が呪われて五本になっちゃうんだって」

「やめてよ、わたし五本足になっちゃう」

「指もなくなっちゃうよ」

「いやだ、こわいよー」

「……」

「お前が近所で、みんなが気味悪がってんだよ!早く消えろ!気持ち悪いんだよ!」

「ピアノへったくそー!の、五本足のジュリアンナ!」


ジュリアンナの心は、一気に傷つきました。たくさんの涙を流しながら、逃げました。持っていた小さな花も、捨てました。後ろからは、笑い声が、ずっと、ずっと、聞こえてきました。

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