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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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カフェ・ルミエールの新メニュー(1)

洋子は、腕を組み、ずっと考えている。

というのも、基本的には洋菓子が中心のカフェ・ルミエールに和菓子を追加したいと考え始めたのである。


「この新緑のまぶしい時期に、抹茶とお干菓子もいいかも」

「ほうじ茶、煎茶」

「お饅頭もねえ、そうなると木村親方にも相談だなあ」

「奈津美ちゃんにも相談するかなあ」

「でも、このカフェ・ルミエールは、洋菓子がお目当てで来るお客も多いからなあ」

「路線がなあ・・・」


なかなか決断がつかず、奈津美にも相談できずにいると、由紀が入ってきた。


カウンター前の席に座るなり

「あら、洋子さん、珍しく難しい顔」

「失恋でもしたの?」

「そうだよね、史君は里奈ちゃんに取られちゃったからね」

これで、案外「余計なこと」を言う、由紀である。


「由紀ちゃん、あのね・・・」

洋子としては、史はメチャクチャに可愛いけれど、それは年齢差もある。

「取るとか、取られるとか」そんな対象ではない。

でも、ちょっと悔しいような、言われてうれしいような変な気持。


「あはは、赤くなっているし!」

由紀は、ケラケラ笑っている。

ただ、由紀も来るからには、何か話があるらしい。


「それでね、フラレてしまった洋子さん」

また余計なことを言いながら

「史のことは、どうでもいいんだけどさ」

少し真顔になっている。


「え?何?由紀ちゃん」

洋子は、由紀の「真顔」が好きである。

由紀は、何しろ「童顔」なので、真顔になると「マンガ顔」になる。


「ほらーーー!私が若いからと言って面白がって笑わない!」

「マジな話なんですから」

由紀は、また少しむくれるけれど、話だすと止まらない。


「あのね、あのアホの母美智子がね」

「突然、お菓子を作り出しているんです!」

「それでね、それが変なの!」

「何個も試食させられてね、もうたまらない・・・まずくはないけどさ」

由紀は、ペラペラと話すけれど、洋子は真面目に聞いている。


「へえ・・・美智子さんの新作?」

「それはそれは・・・」

「見たい!」

「食べたい!」

洋子の目は、輝き始めている。

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