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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史と里奈(7)(完)

里奈は、それでも不安だった。

マスターと涼子の指導があったとはいえ、味覚鋭い史に食べさせる初めての「料理」である。


「・・・どう?」

「口に合わなかったら・・・」

マスターも涼子もいるけれど、余分なことまで言ってしまう。


「えーっと・・・」

史は、予想通り首を傾げる。

里奈の不安はますます増大する。


「パンもステーキも、レタスもバターも最高」

「後は、もう少しマスタードかなあ」

「それくらいが好き」

やはり、史は味覚に厳しい。


マスターも涼子も、その目を丸くする。

「うわっ!マスタードも使ったのに」マスター

「あらら、抑えめにしたのが、わかっちゃった」涼子


里奈は泣き出してしまった。

どうやら史の指摘が、ショックだったようだ。

「史君・・・せっかく来てくれたのに・・・ごめん・・・」

「私なんかのために・・・わざわざ来てくれたのに・・・」

そこまで言って後は、声にならない。


その里奈を見て、今度は史が慌てた。

「あ・・・美味しかった」

「これはこれで、甘くて美味しいし」

「こういうのも好き」

必死に里奈を慰める。

そして、ようやく里奈の手を握る。


「史君」

見かねたマスターが史に声をかける。

「二人で、そのサンドイッチもって、お散歩したら?」

涼子は、史にウィンク。


「うん、そうする」

史も泣き続ける里奈をこのままには出来ないと思った。

里奈の手を握ったまま、マスターの家から出た。


少しだけ歩いて、公園に入った。


「里奈ちゃん」

史は、やさしい声。

「うん・・・泣いちゃってごめん」

里奈は、ますます肩を落とす。


「そうじゃないって、こっち向いて」

珍しく史の強めの声。


「え?・・・何?」

里奈は涙まみれの顔を史に向ける。


「料理は料理、里奈ちゃんは里奈ちゃんさ」

史は、里奈にとって、ますますわからないことを言う。


「・・・意味分からないし」

里奈は、キョトンとするばかり。


「意味はね」

史が里奈の真ん前に立った。

しかも、本当に近い。


「え?何?」

里奈は、真っ赤である。


次の瞬間

「里奈ちゃん、ありがとう」

「大好きだよ!」

史は、里奈をグッと抱きしめた。


「うわ!史君!」

「うれしい!」

里奈は、また泣き出してしまった。


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