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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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カフェ・ルミエール楽団コンサート(5)

モーツァルト演奏の後は、客が全員立ち上がって拍手。

史は、顔を真っ赤にして、お辞儀をする。


「こうなるとねえ・・・」

榊原は腕を組んだ。

「モーツァルトも捨てがたいなあ」

「史君としては、ブラームスかベートーヴェンか」

モーツァルトを聴いてしまったばかりに、かえって悩んでしまう。


そんな榊原にマスターが声をかけた。

「ああ、下のホールでは、ベートーヴェンまでは出来るかなあ」

「詰めれば400人ぐらいは入れる」

「ピアノはスタインウェイだし」


そうなると、話が速やかである。

「とにかく響かせてみましょう」

史は、突然積極的になった。

その手には、ベートーヴェンのピアノ・コンチェルト第五番「皇帝」の楽譜を持っている。

そして、マスターに、チョコンと頭を下げ、地下のホールに向かうようだ。


「う・・・史君の皇帝か、聴きたいなあ」

「しかし、店始まっちゃうなあ」

マスターは結局渋い顔。


「はーい、代役で聴いてきますね!」洋子

「うん、コンサートには親方も呼ぶかな」奈津美

「そう、私も友達全員に声をかける!」結衣

「スマホで録音しちゃおうっと」彩

既にカフェ・ルミエールの喫茶部は終了時間。

四人のスタッフは、心置きなく聴くことができるのである。


ただ、由紀だけは、少し心配な顔をしている。

「群がる女どもはともかく・・・」

「あの軟弱史に、皇帝なんか弾けるわけがないって・・・」

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