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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の初回リサイタルに向けて(4)

史の初回リサイタル日程が3月20日、本決まりとなり、史とマネージャーの鷹司京子は、学園長を訪ねた。

学園長は、大喜び。

「いや、実に素晴らしい、史君のプロデヴューなんて、この学園はずっと応援します、誇りに思います」

史は、深く頭を下げる。

「学園長には、本当にお世話になりました」

「これからもよろしくお願いします」

鷹司京子も同じように頭を下げた。

「今回は、基本として、史君の御一族とここの学園関係者、そして進学する音楽大学関係者を中心にということで、ご案内をさせていただいております」

「尚、カフェ・ルミエールビルの地下ホールですので、定員が500人」

「全ては入りきれないので残念なのです」


学園長は、史の顔を見た。

「ここの学園からは希望者または多くなった場合は抽選となるけれど、差し支えなかったら」

史は学園長の意図を察した。

「はい、ここの学園のホールも響きがいいので、もし入りきれなかったら、ここでも」

鷹司京子は、うれしそうな顔。

「うん、それがいいね、お世話になった学園だもの、ファンを確保しておくのも大切なこと」


学園長も、満足そうな顔で

「地域の方々も、来られるんですよね」

鷹司京子が答えた。

「はい、自治会長様や商店会の会長様も、大喜びで」

「チケットもすぐに完売でした」


学園長室で、そんな話を終えて、廊下に出ると、廊下にかなり多くの学生が集まっている。

そして、いろんな声がかけられる。


「史君、おめでとう!楽しみにしている!」

「史先輩!サイン欲しい」

「花束持って行きますね!」

「ワクワクしちゃう」

「差し入れしたいなあ」

「記念写真を一緒に」

・・・・・様々なので省略。


史は、声をかけられるたびに「ありがとう」と、頭を下げる。

そんな生徒たちと史を見て、鷹司京子は思った。

「史君は、決して偉そうな顔をしないから、逆に引っ込み思案気味だけど」

「その分、ピアノとか指揮とか、パフォーマンスの力が強い」

「でも、人の気持ちを引くタイプだ」


学園からは、里奈も一緒、三人でカフェ・ルミエールに。

里奈から鷹司京子に自己紹介。

「里奈と申します、これからもよろしくお願いします」


鷹司京子は、里奈を見て、「うん」と頷く。

「そうか、この子が里奈ちゃん、史君の彼女か」

「みんな言っていたけれど、しっかり史君を支えている感じ」

「芯が強いタイプかな、チャラチャラしていない」


鷹司京子からも、里奈に自己紹介。

「鷹司京子です、史君の専属マネージャーをします」

「里奈ちゃん、私からもよろしく」


里奈は、鷹司京子に再び頭を下げる。


その後は、史と里奈は並んで道を歩く。


鷹司京子は、その二人の後ろ姿を見て思った。

「すっごい、違和感なし、長年の夫婦でも、こんなピッタリ感はない」

「いろいろ乗り越えてきた二人って感じだなあ」


そして、こうも思った。

「とても、口をはさめない・・・いいなあ・・・」

「私も、そういう相手が欲しい」


鷹司京子は、史と里奈の後ろ姿が、とにかくまぶしく見えている。


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