表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
739/760

史の初回リサイタルに向けて(2)

史の初回リサイタル用のポスター写真を撮影することになった。

史は、最初は嫌がった。

「まだ高校生だし、しっかりとしたプロでもなく」

「内輪のリサイタルだから名前と曲だけでいい」

いかにも派手を嫌う史らしい理由になるけれど、マネージャーの京子と華蓮は、取り合わない。


京子

「ぐずぐす言わないの、男の子でしょ?プロになると何回でもそういうことあるの、これも練習なの」

華蓮

「みんな史君のポスターを見ても感激するの、史君もプロかなあってね、だから上手に撮ってもらいなさい」


史は「うーん・・・うん・・・」と、面倒そうな顔。


その史の前に、京子と華蓮は、20代後半の女性カメラマンを連れて来た。

京子

「いわゆる音楽家を撮影する専門のカメラマンではないけれど、今人気のカメラマンで九條美子さん」

史が、「あ・・・はい・・・」と、カチンコチン気味に頭を下げると、

カメラマン九條美子は最初から史を見て感激している。


「うわー・・・きれい・・・可愛い・・・お肌が白い、色っぽい・・・」

「男の子の色気って・・・別格だよ、この子」

「うーん・・・ずっと撮り続けたい・・・」

「史君って言うの?私の専属モデルになって!」


史は、途中から腰を引き、京子は頭を抱え、華蓮は「あ・・・マズイ・・・危ない」という表情。


それでも、撮影の話は進む。

九條美子

「史君の希望は?」

「僕は音楽家がポスター写真に使うポーズって好きではないんです」

京子

「頬づえをついてたりするポーズ?」

華蓮

「にやけている顔もあるし、演奏に専念している顔もあるよ」

「音楽が主体で、音楽家が後ろに来る感じがいいなあと」

九條美子

「でもね、史君、そういう引っ込み思案でなくて、史君を売り出したいの」

史は、困ったような顔。

「うーん・・・恥ずかしい」

結局、引っ込み思案なのである。


京子

「とにかく撮影用の服だね、ピアノは地下ホールのを使う」

華蓮

「仕立屋さんを呼ぶよ、既製服なんて使わない」

史は、また引っ込み気味。

「シックな地味なのにしてください」



そんな史を九條美子がピシャリ。

「いい悪いは、カメラマンが決めます」

「史君は、撮影中は、ただの置物なの」


京子と華蓮が驚くほどの強い口調。

史は「はい・・・」と、返事をしている状態。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ