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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の引っ越し準備(1)

高校生としての全ての試験も終了し、史は3月卒業式終了後は、大旦那のお屋敷の洋館に移る予定。

そのため、少しずつ、荷物の整理を始めている。


「着る服は、コンサート用は、新しく作るのかな」

「普段に使う服は、少しこの家にも残そう」

「何かあって、泊まる時に何にもなくても不便だから」


「高校生で使っていた教科書とか参考書は不要」

「ノートも処分」


そこまで考えて、今後住む洋館を、もう一度確認する必要があると思った。

「本棚、机、いす」

「たんすは、備え付けのがある、大きいからあれで十分」

「ベッドはすでにある」

「冷蔵庫、洗濯機、レンジ、みたいな電化製品」

・・・・・

いろいろ考えて、大旦那に連絡。


「今度、もう一度部屋を確認したいんです」


大旦那は、簡単。

「ああ、いいよ、鍵も渡しておくよ」

「欲しいものがあれば、こっちで揃える」

「多少古い、広いけれど古いから」

「冷暖房と水回りは、最新式」

「部屋だけで4室、全て十畳間、どう使ってもいい」


史は、

「ありがとうございます、明日にでも」


大旦那の声がいっそう、明るい。

「ああ、いつでもいいよ、待ってる」

奥様に変わった。

「ピアノは、母屋から動かそうかと」

「滅多に使わないし、加奈子ちゃんも弾かないから」


史は恐縮するばかり。

「ありがとうございます、至れり尽くせりで」

奥様は笑った。

「何を言っているの?やがては史君たちが管理する屋敷なの」

「史君は先発隊で、来るだけ」

そして、声を少し落とした。

「由紀ちゃんにも、そう言いなさい」

「それでも何か言ってきたら、私が由紀ちゃんと話をつけます」


史は、グッとその言葉が、心に響いた。

「ありがとうございます」

それぐらいしか、言えない。


また、大旦那に変わった。

「大切な伝統は残しつつ、変えるべきところは、変えて欲しい」

「家は美術品ではなく、使えなければ仕方がない」


史は、電話を終えて、母美智子にその旨を告げる。


美智子は、すぐに納得。

「うん、まずは部屋の点検をしてきなさい」

「長らく暮らすかもしれないから」

そして、一言付け加えた。


「史一人で、行きなさい」


史の顔が、引き締まった。


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