表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
698/760

京都での新年会兼披露宴(11)

「シェリーに口づけ」は、大喝采の中、終わった。

そして次は、史のピアノ伴奏で、道彦がトランペットソロ。

これも、当初の打ち合わせと違う、シャンソンの名曲「聞かせてよ愛の言葉を」。

史の静かなジャズ風の伴奏で、道彦のロマンチックなトランペットが会場内に響き渡る。


大旦那は赤ワインを一口。

「ほーー・・・ジャズ風に・・・お洒落だなあ」

奥様は目がしらをおさえて、

「ジーンとするわねえ、道彦君の亜美さんを思う気持ちが、あふれている」

由紀も、感心している。

「史はジャズも上手い、大騒ぎのポップスが、しっとりと変化」

加奈子は、うっとり。

「二人とも上手すぎ、私もジャズヴァイオリンに挑戦するかな」

マスターは、うれしそうな顔。

「この二人はセンスが高い、この一族をやがて引っ張るのかな」

愛華は、ドキドキが止まらない。

「いつ、史君に告白したらいいの?チャンスがあらへん」

「どないしよ・・・今回はあきらめ?いやや・・・そんなの」

ただ、なかなか一対一になるチャンスも見いだせない。


史と道彦の演奏も終わり、披露宴での音楽の予定も全て終了。

その後は、再び歓談と食事。

道彦、亜美、それぞれの両親への花束贈呈などがあり、新年会兼披露宴も終了した。


さて、史は華蓮と、会場を出ながら、話し込んでいる。

華蓮

「都内に戻ったら、デートしない?」

「え?どこ?」

華蓮

「中華が食べたい」

「僕と華蓮ちゃんだけ?」

由紀と加奈子が、乱入してきた。

由紀

「私も行く」

加奈子

「京都でもいいけど?」

華蓮

「えーーー?史君とだけがいい」

「どっちでもいいや」

由紀

「美味しいものは、大勢で食べたほうがいい」

加奈子

「上品な料理が多かったから、ガツンとピリ辛の四川料理がいい」

華蓮

「仕方ないなあ、大人抜きにしよう、最低限」

由紀

「史はお子ちゃまだよ」

「姉貴抜きにしようよ、うるさいから」

加奈子

「そこで口喧嘩しない、まったく」

とにかく、ポンポンと話がはずむ。


愛華は、また、ためらう。

「うーー・・・入り込めん」

「こんなんじゃ、告白どころじゃない」

「あーーー!明日には史君、帰るんやろか・・・」

それでも愛華は先を歩く史たちを、必死に追う。


そして史に声をかける。


「史君!」

しかし、声は届かなかった。


史は、大旦那に手招きをされ、走り出している。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ