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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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京都での新年会兼披露宴(10)

特設ステージに到着したマスターに史が、小声で耳打ち。

マスターが、少し「え?」と言う顔になるけれど、すぐにニコッと笑う。

史が、由紀、華蓮、加奈子、愛華にも何か話している。

由紀、華蓮、加奈子、愛華も最初は「え?」と言う顔、しかし、マスターと同じうれしそうな顔に変化。

史はその次に、道彦の席まで歩いて、何かを耳打ち、道彦もマスターたちと全く同じ反応を見せる。


それを見ている大旦那。

「何かしかけるのかなあ、史は時々、とんでもないことをする」

奥様は、落ちついている。

「史君の考えなら、安心できる、任せておきなさい」

「なんとか、するだろう」

美智子

「由紀が笑うくらいだから、面白いかも」

涼子

「うーん・・・マスターが内緒で練習していた曲とは違うかも」

「でなければ、あんな驚いた顔はしないもの」


そんなことをブツブツつぶやいていると、マスターがマイクを握った。


「それでは、皆様からの拍手が大きかったこともありますが、それ以上に、道彦君と亜美さんの、今後のお幸せ、それから両家のお幸せ、そしてこの新年会にお集まりになった全ての皆さまのご多幸を祈念して・・・」


史が前奏をピアノで弾きはじめる。

聴こえてきたのはシャンソンの名曲「Plaisir d'amour;愛の喜び」。

メインボーカルはマスター、それに由紀、華音、加奈子、愛華が女性コーラスで合わせる。


大旦那は、うっとり。

「はぁ・・・ロマンチックな・・・いい曲だ」

奥様は目を閉じて聴く。

「マスターのヴォーカルも、渋くて、いいわねえ、パリの雰囲気が出ている」

「女性コーラスが、美しく支える、華やかで、それでいて、真実の愛に包まれた歌」

美智子は亜美の顔を見た。

「ねえ、亜美さん、また泣いている」

涼子

「それはうれしい、こんなきれいな曲を贈られたら」

一曲目は、会場全体に、しっとりとした感動を与え、終わった。

そして、大歓声と拍手に包まれる。


その大歓声と拍手が、ようやく収まった時だった。

史が小声で「ワン・トゥー・スリー・フォー」

いきなりアップテンポのポップスが始まった。

会場全体の目がパッと開かれた。

なんと、ミシェル・ポロナレフの名曲「シェリーに口づけ」だった。


大旦那は、笑い出した。

「あはは!これはいい!明るくて、弾けるなあ」

奥様も手を打って笑う。

「ああ!これ!大好き!若返る!」

「これ、思い出した、マスターの十八番」

美智子

「由紀と史が小さな頃、よくギター弾いて歌ってくれたもの」

「覚えていたんだ、由紀と史も」

涼子

「ねえ、そんなこと言っていないで、手拍子」


いつの間にか、会場全ての人が手拍子、大旦那と奥様まで手拍子を打っている。


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