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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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京都での新年会兼披露宴(2)

加奈子は、愛華の状態に驚いている。

何しろ、目の下にはクマができ、健康そのものだったスタイルも、どこか元気がない。

「愛華ちゃん、どないしたん?」

それでも聞くけれど、理由はわかる。

史に「告白する」と決めた以上、それだけに心が固まってしまい、夜もあまり眠れず、食事が進まないのだと思う。


「愛華ちゃん、そんなんじゃ、告白以前の問題」

「披露宴の演奏どころか、出席だって危うい」

それを言って心配するけれど、愛華は涙顔になるだけ。


「加奈子ちゃんは、都内に住むんやろ?」

「うちは、音大も不合格やし」

「結局、京都の大学や、家から離れられん」

「あれほど、練習したのに」

「史君、遠いなあ・・・どんどん、離れていく」

「顔見とうて・・・仕方ないんやけど」

「この変な顔、見せられん」

「音大も落ちて、史君にも失恋や」

「そんなの恥ずかしくて、言えんしなあ・・・」

「やさしい史君やけど・・・時々、つれないしなあ」

「あーーー生きているのも嫌や」

・・・・・

とにかく、涙顔、落ち込むばかり。


加奈子は、ため息。

「この私にどうしろって言うの?」

「由紀ちゃんは、結局、面倒くさいって、知らないなんて言うし」

「史君が、はっきり言うのが一番」

「でも、史君は愛華ちゃんの気持ちなんて、全く知らんし」

「そもそも里奈ちゃんって、しっかりとして可愛い子がいるんやから」

「・・・・愛華ちゃんに言うと、また落ち込むしなあ」

「史君が、はっきり、きっぱり言ったら、愛華ちゃん・・・落ち込むだろうねえ」


加奈子も、こうなると、何をどうしていいのか、わからない。


さて、新年会当日の朝になってしまった。


鏡で自分の顔を見て、愛華はガッカリ。

「はぁ・・・私、本番に弱いタイプかなあ」

「都内での音大受験でも実技でミスや」

「はぁ・・・この顔で告白?」

「その前にフルートでミス?」


愛華は、ますますのマイナス思考に陥っている。

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