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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史のマラソン大会(3)

史のマラソン大会での優勝を祝して、カフェ・ルミエールでは、里奈やクラスメイト、三輪担任や菅沼剣道部顧問まで集合して、ケーキ大会、大盛り上がりになっている。


「史君!すごかった!」

「本当にきれいなフォームでいいなあって」

「風邪は大丈夫?疲れていない?」

生徒たちからは、次々にそんな声。


パテシィエの洋子は、驚きを隠せない。

「由紀ちゃんから連絡あった時は、36度9分でね、よく走ったね」

「そのうえ、優勝なんて」

奈津美は泣いている。

「もーーー!ずーっと心配だった、倒れちゃったらって」

結衣と彩は、奈津美のもらい泣き状態で、声が出ない。


三輪担任は、

「まあ、とんでもない体育講師の暴言はあったけれど、結果がこれでよかった」

菅沼剣道部顧問は、眩しそうに史を見る。

「史君、フォームも良かったけれど、呼吸法はあれ?」


史は恥ずかしそうな顔。

「はい、菅沼先生に教えていただいた通りに」


菅沼は、笑う。

「なかなか、実践できることではないのにね」


史は、また恥ずかしそうな顔。

「苦しい時ほど、使える教えと思うんです」


そんな時に、学園長が笑顔で入って来た。

「史君、おめでとう、苦しい思いをさせたね」

と、しっかり握手。


そして全員に小声で、

「あの体育顧問には厳重注意してきた」

「理事会案件にするので、厳しい処分もあるかもしれない」


史は、少し戸惑い顔、他の生徒たちは、ホッとしたような顔。

ただ、学園長は、その話は続けない。


「さあ、せっかくのパーティー」

「美味しいケーキと飲み物で盛り上がろう!」

「そうだな、私はザッハトルテがいいなあ」

と、どんどん、ケーキの会に加わっていく。


洋子は、笑ってしまった。

「さすが、締めるところは締める学園長だけど、生徒の心をつかむのが上手」


奈津美は、涙顔から笑顔に戻った。

「学園長は、地域のいろんな店に顔を出して、親睦を深めるんです、木村和菓子店にもよく来られます」


結衣は、学園長のパーティーへの溶け込み方に注目。

「みんな話しやすいのかな、話題がポンポンふくらんでいる」


彩は、学園長にザッハトルテを持って行き、戻って来た。

そして、驚いた顔で洋子に

「今日のお代は、学園長が全てお支払いとのこと」

「部下とか学生に払わせたくないって」


洋子は、うれしくてしかたがない。

「いいなあ、そういう上司って、人間が大きい」


由紀が入って来た。

そして史を見つけて飛びついた。

「あーーー!心配したー!もーーー!このアホ!」

今回はポカリではなかった。

むしゃぶりついて、大泣きになっている。

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