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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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加奈子の上京(10)

まさに全員が大満足の定食屋のランチになった。

大旦那は、ホッケの定食、ずっとニコニコしている。

「このホッケの大きさ、焼き加減、塩加減のちょうどよさ、味噌汁と漬物の味がしっかりしているから、丼からご飯がなくなるのが早い、若い頃の力がよみがえるような感じ」

マスターは天丼。

「目の前で天ぷらをあげてもらって、即食べるのが一番、キスが美味しいなあ」

清はカツカレー。

「食べやすい日本風のカレー、カツもジューシーで肉汁まで美味しい」

華蓮は麻婆豆腐定食。

「山椒を使ってある、ピリッとして食べやすいなあ、本格中華の店より美味しいかも、どんどんご飯が口の中に入っていく」

道彦はハンバーグ定食。

「大きくてトロトロのハンバーグ、その中にいろんな薬味が入っていて食べ飽きない、付け合わせの少しにナポリタンが泣かせる、コンソメスープもいいなあ」

亜美は、カキフライ定食。

「ふう・・・完璧なカキフライだなあ、どうしたらこんなに上手に揚げられるのかなあ、教わりたい」

加奈子は、生姜焼き定食を猛然と食べる。

「はーーー!すごい!これこそ、関東の味!味が濃くて、メチャ元気になる」

由紀は、ヒレカツ定食。

「ヒレカツの量が多い、でも美味しいから食べちゃう・・・今日は体重計乗らない、当分、ダイエットはあきらめることにする」

史は、中華の固焼きそば。

「普通の味というか定番の味、でも、それがいいかな」

少し食べるのが遅いので、時々由紀に、食べられている。


全員が、大満足で定食屋ランチを終えた。

帰りの車の中で、大旦那は全員に声をかける。

「なんとか、文化講座に組み入れることを考えたらどうか」

「そのまま店として、ビルの中にいれてもいいな」

マスター

「以前、お話があった子ども食堂でもいいかな」

「産直市の方々とも話をしてみて、地域料理と組み合わせることもできますね」

華蓮

「そうなると、もう一人のシェフが必要と思うのですが」

マスター

「今日の店の伊藤は無理、忙しすぎる」

「マスターも店があって、私も懐石料理店の準備で」

マスター

「少しツテを当たってみるよ、誰かいるかも、できれば若手の」


そんな話を聞きながら、加奈子の目が輝いている。

「すっごいなあ、この人たち」

「都内に来ると、話がドンドン進む」

「楽しみになって来たなあ」


そう思って史を見ると、食べ過ぎたようだ。

史は、すっかり眠ってしまっている。


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