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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史とブラームス(2)

史は、考え込むことが多くなった。

もともと、口数が少ない史が考え込むのだから、一日中ほとんど言葉を発しない。

「おはよう」とか「さようなら」、他は「いただきます」、「ごちそうさま」などの挨拶ぐらい。


ただ、周囲の人は、その原因がわかっているので、史に余分な声をかけない。

姉の由紀「ブラームスに苦しんでいるだけ、でも、こればかりは史自身が乗り越えないとね」

母の美智子「食欲が少し落ちているけれど、仕方ないかな」

父の晃「今が史の試練、乗り越えれば成長する」


カフェ・ルミエールの面々も、それを承知しているので、余分な声掛けもしない。

洋子「とにかく、そっとしておこう」

奈津美「倒れそうになったら支えるかな」

結衣「うん、とにかく悩んでいるけれど、私たちは支えるしかできない」

彩「私たちが聴くと全く素晴らしい演奏と思うけれど、弾く本人は違うんだね、音楽は深いなあ」


マスターは史の顔色に少々不安。

「元々色白だけどなあ・・・」

美幸「とにかく史君自身が納得しないとね・・・演奏が終わるまで無理かな」

華蓮「最後は史君だから何とかすると思うよ、でもそれまでがねえ・・・」

道彦「史君は芯が強いから大丈夫と思う、でもマジで青白い」

亜美「可愛い弟が苦しんでいるみたい、何ともできないのが辛い」


さて、家庭内とカフェ・ルミエールの面々は、そんな状態で「少々沈み気味」の史を見守るけれど、学園内には、また別の反応がある。


史と里奈が、いつものように一緒に登校、校門に入った時点で、史は突然、呼び止められてしまった。

その呼び止めた人物は、学園において生活指導を行っている教師の菅沼。

菅沼は剣道部の顧問も受け持っている。

今朝は、校門に立ち、生徒の登校を見守っていたようだ。


菅沼は、少々厳しい顔。

「おい!史君!最近、挨拶の声が小さすぎる」


その菅沼に史は、即座に謝った。

「申し訳ありません、少し考え事をしておりまして」

「次回以降、気を付けます」


しかし、菅沼はすぐに史を離さない。

「いやいや、それに顔色が青いぞ」

「体調が悪いのか?」

「朝飯はしっかり食べてきたのか?」

など、様々に史に問いかける。


史は、少し困った。

「えーっと・・・体調はそれほど悪くありません」

「朝ごはんんも、いつもの通りです」

そのままの事実を菅沼に伝える。


菅沼は、じっと史を見た。

「そうか・・・それならいいけれど、私も立場上な、心配と思った生徒には声をかけるんだ、悪く思わんでくれ」


史は、菅沼にキチンと頭を下げる。

「申し訳ありません、ご心配をおかけしまして」


菅沼からは、もう一言あった。

「史君が時間があるのなら、昼休みにでも話をしたいんだ」

「いや・・・これは命令ではない、私からの希望だ」


史は、キョトンとした顔になっている。

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